Asagi's Art News





「ひまわり」好き ~ 魅惑の17-19世紀フランス絵画展2005年06月04日 12時02分39秒

「ひまわり」といっても人工衛星のひまわり6号ことなのだが、どうにか画像配信ができるようになって、運用が始まるらしい。いま、天気予報で活躍している衛星画像は、アメリカのGOSEという衛星からの画像であるそうだ。国産ロケットの打ち上げ失敗が続いたのが原因だろう。

あさぎは、大学時代にひまわり5号の画像を使って、画像処理の研究をしていた。そのころ、ひまわりの画像は、古い漫画に出来てきそうなコンピュータの磁気テープに詰め込まれいた。いまならオプティカルディスクで、持ち運びもデータの取り扱いもスマートだと思うのだが、当時は、ほとんど体力勝負だったことが思い出される。

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ところで、新宿にあるゴッホの「ひまわり」であるが、しばらく健康診断と貸し出しで見られなくなるらしい。なので先々週、とりあえず「ひまわり」に元気に帰ってこいと言いたくて、こりもせずに「魅惑の17-19世紀フランス絵画展」に出かけてきた。やはり、クールベの「出会い、こんにちはクールベさん」の何処がすごいのかが判らないまま、新古典、ロマン主義か・・と思い新宿をあとにした。

※損保ジャパン東郷青児美術館
※気象庁

博物館島の完成は、2015年 ~ ベルリンの至宝展2005年06月05日 14時23分20秒

ドイツ年ということで、イベントがいろいろあるという。もうすぐ終了だが、上野の博物館でも「ベルリンの至宝展」を開催している。ドイツは、日本と同じ第2次大戦の敗戦国で、芸術分野でのイメージや所蔵品などは、いまひとつ影が薄い感じがする。

しかし、今回の展覧会で少しそのイメージが、変わったかもしれない。ギリシャ、エジプト美術からルネッサンス、近代絵画まで要所を押さえれいる。もちろん、あさぎのハートを捕らえたのは、ボッティチェリの「ヴィーナス」とラファエロの「聖母子」。この2作品を見ることができただけ幸せ!

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「ヴィーナス」は、黒背景であの「ヴィーナスの誕生」と同じポーズで女神がたたずんでいる。静寂の中に鐘の音が響いているような感覚がした。一方、「聖母子」は、マリアの赤と青の衣装に華やかさが漂い、イエスを見守る目がなんともいえず良いのだ。ふと気が付いたのだが、この「聖母子」には光臨が描かれていなかった。これもラファエロだから許されることなのか?

さて、博物館は、いつも盛況で、展示スペースも広いので見て回るがたいへんである。今回も特別展のある平成館と日本美術の常設がある本館しか見ることができなかった。

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でも、本館には人がいなったので、岸田劉生の「麗子像」は、独り占め状態で嬉しかった。でも、いつになったら、東洋館とかに行けるのだろう。

※東京国立博物館

プラトニック・ラブ ~ 真珠の耳飾の少女2005年06月07日 00時21分09秒

もうすぐフェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」が西洋美術館にやって来るということで、フェルメールのお勉強と思い「真珠の耳飾の少女」のDVDを買ってきた。フィクションであるが、それなりに雰囲気を感じることができるとのことだ。

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英語が得意でないので、日本語吹き替えで鑑賞スタート。出だしから重い感じが漂って、季節は冬だった。主人公のグリートは、貧乏でフェルメールの屋敷で使用人となる。そして、モデルになっていく過程でフェルメールとのプラトニックな恋愛が語られていくのだが、あさぎにとっては、ちょっぴり難しい内容かな?

ところどころで、フェルメール作品の場面が散りばめられていて、なかなか楽しめる。人物としては、パトロンのライフェンの欲と色に対する素直な態度が好きだったりする。そうそう、フェルメールがグリートの耳にピアスの穴を開ける場面がポイントと言われたのだが・・なかなか意味深だ。

※真珠の耳飾の少女

~ABlog
~ひつじ日和

制約の中の芸術 ~ 植物画世界の至宝展2005年06月11日 22時31分47秒

ボタニカルアートは、カルチャースクールなどでも人気のあり、16~17世紀に掛けて欧州で完成された絵画である。今日から英国王立園芸協会(RHS)の所蔵するボタニカルアートの展覧会が藝大美術館ではじまったので、早速出かけてきた。

実はあさぎは、このボタニカルアートのスクールにしばらく通ったことがある。そこでは、モデルになる植物を正確に描くわけだが、とにかくよくモデルを観察することが大事であることを教わった。アートと名前が付いているが、どちらかというと植物学というような気がしてくるぐらい見るのである。

確かに歴史では、植物学としてスタートしているが、18世紀にルドゥテが登場することにより芸術として発展して行く。ルドゥテは、バラ図譜で知られ「花のラファエロ」とも呼ばれるほどの画家である。今回は残念なことにルドゥテの作品は1点のみで、しかも書籍でバラでもない。どうもRHSでは、ルドゥテのオリジナルは持ってないらしいとのことだ。それは、しかたのないことなのだが、フッカーやウィザーズの作品もルドゥテに負けず素晴らしいものだったので良しとする。

ボタニカルアートは、18世紀頃に芸術としてのピークを迎え、写真の普及にともなって元気がなくなってくるようだ。展示の内容も時代ごとに推移するので、そのことがよく判る。この点は、実に興味深いことである。

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そういえば、梅雨入りだそうだが、展覧会の帰りに虹が出ているのを見かけた。なんだか得した気分になった。

※東京藝術大学大学美術館
※岐阜の薔薇

日本画の王道 ~ 小林古径展2005年06月17日 22時14分45秒

江戸・小石川に「極楽井(ごくらくのい)」という井戸があった。偉い僧侶の行いに心打たれた龍女が名水を与えたという伝説が残るというが、その水をたたえる姿は、もう見ることはできないらしい。この「極楽井」を描いたのが小林古径なる画家だ。

「極楽井」が目印のポスターからは、正統な日本画の匂いがする。どこかで出会っている絵だと思うのだけど、画家の名前は知らなかった。先月のゴッホ展の賑わいが嘘のような近代美術館は、ノスタルジックな世界にトリップできる。

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明治から昭和への流れの中で、徐々に画風が変化していく様子がよく判る。しかし、「極楽井」をはじめとする透き通るような作品は、大正時代に描かれたものだった。日本画の王道といった感じだろうか。あさぎは、日本画も好きなのである。

作品は、前期と後期で入れ替えをするそうで、HPなどに紹介されている作品すべてに会えるわけではない。また、下絵と本画を比較しての展示があり、作成の過程を垣間見るようで興味がつきない。

※国立近代美術館

~バッハのプレリュードとフーガの日々

カラヴァッジョの絵画世界 ~ パッション2005年06月19日 10時03分53秒

メル・ギブソンといえば、マッドマックスのイメージがあるのだが、もう監督業の方が主流でアカデミー賞にも輝いた。パッションは、イエス・キリストが十字架に掛けられるまでの12時間を映像化した意欲作だ。劇場公開は、とっくに過ぎているのだが、DVDが出ていたので買ってみた。

最後の晩餐あとの夜明け前、イエスが大祭司カイアファに捕らえられところから話がはじまる。騒然とするなか誰が誰だか判らなかった。やがて、イエスは、ローマ軍に引き渡され、鞭打ち、十字架を背負って引き回されたうえ磔にされる。この中の主だった場面は、絵画として描かれているが、映像として通して見るとかなりの衝撃が伝わってくる。

それで、絵画を思い出しながら映画を見ていたのだが、あの場面の前後には、こんなことがあったのかとか、こんな意味があったのかとかと、あさぎには、いい勉強になった。

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プロダクションノートの中には、カラヴァッジョの絵画世界を彷彿させるような映像とあったが、たしかに雰囲気はあると思う。また、カラヴァッジョのことを「暴力的で、暗く、精神性を持っているが、ある意味異様な表現であるけど、とても美しい」と言っているが、確かにそのような感じもする。

※パッション

六本木の夜は長い ~ フィリップスコレクション展2005年06月25日 12時18分32秒

夜の10時まで開館している美術館がある。曜日によって閉館時間を延長するところは、いくつか知っていたが、森アーツセンターギャラリーは、通常営業なのだ。それで、仕事が終わっても余裕で見に行けるのということで、六本木ヒルズの森タワーに向かった。

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フィリップスコレクション展となっていたので、個人収集家が集めた作品で、その中身よりは画家の名前を重視したものかなと思っていた。ところが、期待以上の作品が美術史を語るような順番で展示されていた。エル・グレコからマチスまで、「センスが良い」というと軽く聞こえるが、もう少し見ていたいと思う作品がかなりあった。

この展覧会のメインは、ルノワールの「舟遊びの昼食」で、コレクターのフィリップス・ダンカンの特別な思いが込められた作品である。ダンカン自身が感じた思いを多くの人にも感じてほしいと紹介があり、「舟遊びの昼食」に向かって左側にソファーが置かれ、見る人が絵の中に入り込んでいるような感じで見ることができる。描かれた人物の大きさが、ソファーから見ると等身大に見えるので、その効果は抜群であり、ルノワールが作る美しく至福の空間を体感できる。

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もちろん、他の作品も素晴らしく特に印象派に興味があれば、モネの「ヴェイトゥイユへの道」、シスレーの「ルーシェンヌの雪」、ドガの「稽古する踊り子」、ゴッホの「オーヴェールの家」、セザンヌの「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」などは、見ておきたいものである。

※森アーツセンター
※フィリップスコレクション展