Asagi's Art News





世田谷散歩 ~ ゲント美術館名品展2005年07月02日 23時41分58秒

以前、用賀の近くの会社に勤めていたことがあり、世田谷美術館に行ってみたと思っていた。しかし、そう思っているうちにその会社をやめることになり、なんとなく用賀の周辺に近づきにくい状態になった。もう5年近く前のことなのだが、少しドキドキで出かけることになった。

駅から歩いて向かったのだが、いつまでたっても美術館にたどり着かない・・。区とか市で作る美術館は、どうして利便性に悪いところにあるのか疑問に思う。まあ、世田谷のきれいな街並みを散歩と考えれば、がまんもできるか?

その世田谷美術館では、「ゲント美術館名品展」という展覧会が行われていた。ベルギーの美術館らしいのだが、聞いたことのないとこで、どんな作品に会えるのかと思い鑑賞を開始した。古典から近代へと時代順に展開して行くベーシックな展示であったが、どうも最近は、あさぎの苦手な新古典から始まるのは、偶然なのだろうか?

ここでも作品一覧の印刷物が無かったので、作品名と画家の名前を忘れてしまったが、古典は大画面の風景画、展示のメインは印象派で、マグリットで閉めるといった感じだろうか・・地味と言えば地味な展覧会である。ちなみにミュージアムショップでは、ベルギーチョコレートが売られ、レストランでは、ベルギービールフェアを開催していた。あさぎにとっては、どうでもいいことなのだが・・。

※世田谷美術館

時代のカリスマ ~ レオノール・フィニ展2005年07月08日 23時17分23秒

いまさらではあるが、渋谷駅周辺の変わりようにはなれることができない。街そのものよりそこに集まる人に何かあるような気もするが、昔が良かったとか言うと、やっぱり年寄りとなってしまうのだろうか? それでも、Bunkamuraのある場所は、駅から離れていることもあり、以前の渋谷の面影が残っていて、ホッとする。

そうそう、フィニって、はじめはぜんぜん知らなくて、女性のアーティストだとも判らなかった。まぁ、あさぎは基本的に下調べをせずに展覧会に出かけてしまうところがあり、あれれ、、となってしまうことがたまにある。

フィニの作品は、シュルレアリズムの影響を受けたものが多く、いろいろと意味深い作品になっていると思うのだが、なかなかその本意が理解できない。そもそもシュルレアリズム自体が、あさぎにとっては、難しいのである。

でも、とっても魅力的な女性であることは、強く感じられた。例えば、ポスターにある「守護者スフィンクス」にしても、フィニ自身を描くことで、時代や女性への偏見に対する問いかけのように思えたし、年を重ねても常にアクティブでマルチな才能を展開していく。まさにカリスマという言葉がぴったりである。

※Bunkamura

出し惜しみなし ~ 印象派と20世紀の巨匠たち2005年07月10日 22時59分02秒

会期が終了すると言うことで、慌てて出かけてきた。ブリジストン美術館の所蔵品ということなのか、入場券もお安く800円に設定されていた。最近は、やたらと高額で内容がともなっていないところあるのだが、良心的な値段設定である。

作品自体は、あまり大きくないものが多かったのだが、各ポイントはキッチリ押さえられている。印象派のモネ、シスレー、ルノアール、セザンヌ、ゴッホと揃い、マチスは2部屋、ピカソは1部屋の展示室が与えられいた。部屋の中央に椅子が置かれ、そこからは作品が一望できるのだ。

これだけでも満足ができるのだが、展示はさらに続き、ルオー、デュフィ、ローランサン、話題のモディリアーニ・・・。「持っているだけ全部出してみました」と言うような感じである。出し惜しみなしなのである。

最後の部屋に日本の近代画家の作品があり、黒田清輝、藤島武二、青木繁などなどビックネームがいっぱい。困ってしまう。今回、印象派もそれぞれ味のあるものだったし、ピカソもいい感じだったのだけど、やっぱり日本人の作品が良かった。同じ歴史を背負っているかなのかなぁなどと思ってしまう。

050710_BRIGESTONE.jpg
藤島武二「黒扇」

※ブリジストン美術館

どうして、そんなところに ~ 開館3周年記念展 ポーラ美術館の印象派2005年07月14日 00時08分00秒

どうして、そんなところに作ってしまったのか不思議に思うのであるが、その美術館は、箱根の山の中にある。登山鉄道を彩るあじさいはきれいだったけど、たどり着くまでに2時間も掛かるのは、大変なのである。

やはりと言うか、この美術館を訪れる人たちのほとんどは、箱根観光のついでにやって来るらしい。それなりに絵画に興味があるだろうが、それにしても、あっと言う間に作品の前からいなくなるは感心できない。まぁ、あさぎのように絵だけを見に来るものは、まずいないのが現実だろう。

さて、その展示内容なのであるが、かなり本格的なものであった。マネから始まりモネ、シスレー、セザンヌ、ルノワール、ドガ、ゴーガン、ゴッホ、スーラ、シニャックと印象派の主だったところを押さえ、作品数もそれなりある。正確な数ではないが、70~80点といったところだろう。さらに常設展示もあり、全てを押さえるには半日は、必要だと思われる。

展示内容から推測するとメインは、どうやらルノワールの「レースの帽子の少女」らしい。この作品は、それほど大きなものではないのだが、少女の表情がなかなか素敵で、特に透き通るような青い瞳が印象的な作品である。もしかしたら、来年の1月にBunkamura(ポーラ美術館の印象派コレクション展)にやって来るかもしれないので、そのとき再会できるといいなと思っている。

050705_POLA.jpg
ルノワール「レースの帽子の少女」

※ポーラ美術館

若き画家達 ~ 朴香淑展/長谷川雅也展2005年07月17日 21時56分33秒

千駄ヶ谷駅から信濃町駅に向かう途中に小さな美術館がある。若手画家の育成を目的にした財団が運営するこの美術館では、これから活躍が期待される画家達の作品に出会える。

今回の展覧会では、前期と後期で4人の若手画家の作品が紹介されるようで、ギャラリーとは違い商売を抜きにした内容に興味を抱かさせられる。あさぎが見てきたのは、朴香淑と長谷川雅也という画家の作品である。

どちらの画家の作品も絵本に原画のような優しい感じと若さというパワーを感じる。そして、朴の作品は、無邪気さと大胆さあわせもっていて、どことなく見るものに安心感を与える作品であった。また、長谷川の作品は、青い幻想的なイメージで統一され、そこに登場する動物の瞳が何かを訴える不思議な世界が展開する。

050717_satou02.jpg
朴香淑「友だちⅠ」

050717_satou01.jpg
長谷川雅也「射光の影」

しかし、こうした作品に対しては、どうしても関心は集まらないようで、あさぎが美術館に入って出てくるまでの30分ぐらいの間に、スタッフ以外に誰もとも会うことはなかった。記帳も数人と少しさびしい気がするのだが、これはしかたのないことなのだろう。作品は、とっても魅力的なものなのに・・

※佐藤美術館

謎のカーテン ~ ドレスデン国立美術館展2005年07月25日 10時35分15秒

200点以上の展示があったのだが、出会いたかったのは、ファエルメールの「窓辺で手紙を読む女」だけだった。この1ヶ月珍しく書籍などで知識を集め、満を持しての対面となった。

050723_UENO.jpg

不意を衝かれるように現る「窓辺で手紙を読む女」は、グリーンの壁を背景にして、控えめの金の額装が施され別世界の空気を漂わせていた。はじめに目に入ったのは、右側の大きなカーテン。あさぎが読んだ本には、このカーテンは、製作の途中から描かれたもので、はじめは壁にキューピッド、テーブルの端にレーマー杯(ワイングラス)があったらしい。

キューピッドを消したのは、手紙の内容をあいまいにするためだそうだ。でもどうして、カーテンで覆ってしまたのかと、しばらく眺めていたのですが、ふと女性の方に目を向けると、なんとなく窮屈な感じがして、なんと言うか秘め事を案じさせるような女性のときめきが伝わってくるような気がした。

それにしても室内に差し込む淡い光、窓にかかるカーテンの赤、窓枠の青、ドレスの黄色、タペストリーの緻密さとフェルメールの世界に酔ってしまい1時間近く眺めていたような気がする。時間が止まるとは、こう言うことなのだろうと思った。

※ドレスデン国立美術館展

ロータス・ハーモニー ~ 西村盛雄・松本陽子展 思考の器/拡散する光2005年07月31日 21時46分08秒

鎌倉に出かけた。目的は、鏑木清方の「朝涼」に会いに行くためだった。あさぎが以前に出会って、絵画の世界に引き込まれるきっかけになった作品である。なんだか初恋の人に再会するような妙な気持ちだったが、徐々にではあるが、あの時と同じ感覚が戻ってきたような気がした。不思議な時間を過ごし、「また来るね」といってその場をあとにした。

いつも鎌倉には、鵠沼海岸を散策して江ノ島に抜け江ノ電に乗ってゆっくり入るのだが、今回は早く会いたいと思ってしまいJRを使った。当然と言うか、時間が余ってしまい、予定になかった近代美術館に行くことにした。何も調べていなかったので、どんな展覧会であるかは、まったく知らなかった。どうやら西村盛雄と松本陽子という若い作家の展覧会で、看板を見る限り抽象画なのかなと思われる感じだったが、とにかく中に入ってみた。

050730_kamakura.jpg


松本の作品は、抽象画でしかもピンクを使っている。しかし、解説にあったのだが、風景のある場面を切り取ったような、水、風、光といった自然を思わせる感じで、湧き上がるエネルギーを発している。作品も大きく迫力がある。

西村の作品は、蓮の葉を思わせる木製のオブジェで松本の作品とのコラボレーションでは、独特の存在感を示す。それから、外にある池が見える一角の展示では、作品と池に広がる本物の蓮の葉とあいまって、まさにロータス・ハーモニー の癒しの空間に身を置くことが出来る。季節限定の素敵な演出と言っていいだろう。突然、訪れたわりには、いいものに出会えたような気がした。

※鏑木清方記念美術館
※神奈川県立近代美術館 鎌倉