Asagi's Art News





黒の存在感 ~ ベルナール・ビュフェ展2005年08月09日 21時22分28秒

ベルナール・ビュフェのことは、何も知りませんでした。あれほどまでにキャンバスに黒を使うとは想像していませんでした。ポスターだけ見ると面長のピエロが強烈な個性を放っていることがわかりましたが、うかつでした。

展示構成は、人物画、風景画、静物画の3つのパートからなるとありました。はじめの人物画は、初期の作品も含まれてるため、インパクトはありますが、少し強いかなと思う程度のものでした。しかし、徐々に進むにつれキャンバスに占める黒の割合がましていき、輪郭線は太くなり、背景まで重く沈んで行きます。

油彩の黒は、水墨画のようなやわらかいものではなく、威圧を感じる存在感のあるものだと思います。その黒を使った作品が次々に現れると、さすがに参ります。特にビュフェの晩年の作品は、死をイメージさせいるものもありかなり辛かったです。普段ならどうして、そうのように感じるのかを探るのですが、今回はその余裕がありませんでした。

風景画で気になったのは、なぜか人物の姿がどこにもないこと。そのためかマンハッタンを描いた作品などは、廃墟のような雰囲気が漂ってきます。静物画では、昆虫を画面いっぱいに描いた作品が印象に残りました。黒い羽を広げた蝶などは、少し怖いですが、感じ方は人それぞれなので、あさぎだけがそう感じたのかもしれません。

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※損保ジャパン東郷青児美術館

今回から文章を「だ・である」から「です・ます」に変えてみました。あさぎは、主に「です・ます」を使うのですが、ブログということで「だ・である」にしていましたが、なんだか書きづらくて・・・

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