Asagi's Art News





美の洪水、あるいは雪崩 ~ 二科展2005年09月10日 20時29分00秒

国内最大級の公募展である第90回二科展の展覧会が、東京都美術館と上野の森美術館で行われていたので出かけてきました。絵画はもとよりデザイン、写真、彫刻とさまざまテーマと技法によりプロアマ合わせて、なんと2800点もの作品が一堂に集結しているとのことです。

二科展

展示会場が2つもあることも凄いのですが、その展示も隙間なく作品が飾られ、まさに美の洪水、あるいは雪崩のごとくといった勢いです。入選された方々も訪れているようで、作品の前で記念写真を撮る光景に出くわすこともしばしばです。

いつもは、じっくり作品を見入るあさぎですが、さすがに難しいというか、余裕ができません。好みの作品のカタログで探すような感じで見るという荒っぽいことになってしまいます。申し訳ないのですが・・。それにしても、女性の作品を多く目にしました。もしかしたら、日本の美の底辺は、女性が支えているのではないでしょうか。

さすがにプロの方の作品は、足が止まるものがいくつかありました。この作品と思ったのは、「カーナルク寒村」というものでした。もの静かな風景画なのですが、あさぎが好きな小説(村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」)に出てきそうな村という感じがして気に入りました。小説に出てくる村は、壁に囲まれ、自分の影を無くした人が暮らす不思議な世界、そういう世界がそこにありました。

作品
木村清敏「カーナルク寒村」

※二科展