Asagi's Art News





田園風景の野獣 ~ ヴラマンクと織田廣喜2005年09月19日 22時56分55秒

鎌倉大谷記念美術館

住宅街の中に現われるこの美術館は、鎌倉の邸宅をそのまま利用しているようです。持ち主だったのは、ホテルニューオータニの会長でニューオータニ美術館の館長でもあった故大谷米一氏だそうで、やはりセンスがいいですね。

「フォーヴィスム」と「ヴラマンク」、よく聞きますが、まだ意識して見たことは、ありませんでした。フォーヴィスムとは、原色を用いた強烈な色彩と、激しいタッチから「野獣の檻(フォーヴ)の中にいるよう」と評され、同時代のキュビズムと対極をなすものらしいです。

たしかにヴラマンクの作品を見ると、風景画の中に何やら激しい息遣いを感じることができます。彼の作品でもっともそれを感じたのが、空の様子でした。描かれているのは、よくある田園風景なのですが、そこに漂う雲の流れがまるで嵐の前触れのようにも思えて、ぞくぞくするような感じがしてきます。

ヴラマンク
モーリス・ド・ヴラマンク「ポプラ並木」

作品の数は、20点にも満たないのですが、なんとなくフォーヴィスムの特徴をつかむことができたような気がする展示内容で良かったと思います。今回は、閉館ぎりぎりに訪れることになってしまい、もう少し見ていたと思いながら美術館を後にすることになり残念な気がしています。また、訪れたいと思う美術館でもありました。

※鎌倉大谷記念美術館

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