Asagi's Art News





女性の自立 ~ 大村コレクションにみる女子美卒業生展2006年05月14日 21時54分44秒

相模原にある女子美大のキャンパスに行ったことがあります。そのときは学生の卒業作品展でしたが、とてもきれいなキャンパスで付属の美術館も立派なものでした。だた、最寄の駅から少し遠いことを除けば・・。

ニューオータニ美術館

今回の展覧会は、その女子美大の卒業生のコレクションをメインに行うというので出かけてきました。女子美大のホームページなどを見ると、設立は1900年とその歴史は古く、建学の精神も「芸術による女性の自立」、「女性の社会的地位の向上」、「女子芸術教育者の育成」とあります。

最近でも女性への差別がなくなったわけでもなく、まだまだ女性の自立がたいへんであることは、いうまでもありません。しかし、そんな日本の世情を考えるとこの女子美大では、多くの人がいくつもの困難を乗り越えてきたと想像することできます。

ニューオータニ美術館は展示スペースが小さいのですが、それでも40点ほどの作品に出会えることができました。いままで知っていた名前の人や女子美大の卒業生とは知らなかった人もいて新しい発見でした。

いまや日本画の重鎮となった片岡珠子、圧倒的な存在感を放つ三岸節子・・彼女たちも卒業生だったんですね。人物画、静物画とコレクションは、バラエティーに富んでいますが、飛び抜けて印象に残るといった作品もないように思いました。そう考えるとコレクターの人柄というのも少し垣間見えるよう気もします。

無難な作品の中で印象に残ったものとしては、桜井悦の『猫とココちゃん』が良かったです。女の子が猫を抱えてるなにげない場面ですが、色合いからなのかとても温かい感じを受けます。優しい気持ちになれるほのぼのとした作品です。画家については何もしらなのですが、日常にある幸せの瞬間を捕らえることのできる人だと感じました。

猫とココちゃん
桜井悦「猫とココちゃん、1947」

※ニューオータニ美術館

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