Asagi's Art News





近未来はレトロ ~ ぼくらの小松崎茂展2006年11月17日 00時19分48秒

勇壮な軍艦、精悍な戦闘機・・本物は好きになれないのですが、小松崎茂が描くそれらの姿は、男の子の憧れをくすぐるようです。もともと彼は、日本画からスタートしたようで、初期に描いた小鳥の掛け軸がありました。不透明水彩で描かれた独特の世界感が魅力的です。

重ねられた色が重厚な題材を生かしています。作品数も多いので必ずどこかで出会っていると思います。短編の漫画やヒーローを描いた作品もありますが、なんと言ってもメカニカルな題材は彼の得意な分野なのでしょう。正確な縮尺、きめ細かい描写から、こつこつと仕事をするさまが思い浮かぶようです。

小松崎茂展

近未来を描いた作品もあります。ホーバークラフト、スペースシャトル、スペースコロニー・・どれもが近未来だけどレトロです。その他に切手のデザインも手がけるなど、幅広い活躍をしていたことが判ります。

とても素敵な作品ばかりなのですが、展示会場に問題があり残念でした。特設会場のような場所で、外気が入りやすく作品を守るための温度湿度管理に疑問がありそうです。それに、作品を照らす照明も強すぎて作品が可哀想でした。

水彩画をはじめ作品は、とてもデリケートなんですから何とかして欲しいものです。主催者には、芸術であることをもう少し理解してもらいたいです。私たちの大切な財産なのですから・・。

※逓信総合博物館