Asagi's Art News





永遠はあるの? ~ スーパーエッシャー展2006年12月06日 23時40分01秒

永遠などありえません。しかし、その絵の中にはあたかも永遠があるように見えます。騙されていることは、はじめからわかっています。それでも、多くの人を惹きつける不思議な世界は、魅力的で無限の宇宙を感じます。

エッシャーは、最初から騙し絵を作っていたわけではありません。風景に人物・・いたって普通の題材を版画として作成しいたことが、前半の展示から判ります。

しかし、彼は変わってしまいました。解説を読まなかったので、そのきっかけが何かはわかりません。ただ、時代的にシュルレアリズムと重なる部分があるので、多少影響を受けているのかもしれません。

描かれてるもののひとつひとつに、意味があるかは判りませんが、とても哲学的な感じもします。それは、ヴァニタス画のような雰囲気を持っているようです。とにかく、不思議な世界を緻密に計算して描いてる彼の姿が思い浮かぶようです。

昼と夜
マウリッツ・コルネリス・エッシャー「昼と夜、1938」

さて、閉館時間も迫っていたのですが、すごい人気で会場はかなりの人が訪れていました。西洋美術館と同じようにNintendo DSを使ったガイドのトライヤルが行われていました。残念ながら手にすることはできませんでしたが、使っている人の画面を覗くといくつかのガイドが映っていました。

使っている人を観察していると、ちょっと問題のある光景にぶつかりました。タッチペンが付いていますが、これが問題です。カップルで絵の読解に夢中になっているのは良いのですが、ときどき作品をそのタッチペンで突っついていました。

作品は、ガラスの保護があるのですが、何が起こるかわかりませんからちょっと怖いです。セキュリティーも頑張っているのですが、人が多すぎて注意できないのでしょう。

あさぎも「あっ」と思って何か言おうと思ったのですが、人が多くて無理でした。新しい試みは歓迎ですが、作品の保護をちゃんとシミュレーションして望んでほしいものです。

※Bunkamura