Asagi's Art News





クロとシロ ~ 鉄コン筋クリート2007年01月18日 00時30分01秒

どことなく懐かしい感じのする情景の世界ですが、ポップでリズミカルな感じがします。日本というよりもアメリカの日本人街のような雰囲気がします。これは、監督であるマイケル・アリアスが持っているアメリカンな感覚なのでしょうか?

鉄キン筋クリート
マイケル・アリアス「鉄コン筋クリート、2006」

再開発計画から取り残された宝町に、暴力と夢を持って暮らす2人の少年クロとシロ。彼らは、地元のヤクザやヤンキー、警察も巻き込み共存共栄の関係を築いていました。しかし、再開発を盾によそ者の新興ヤクザとトラブリます。変わり行く宝町でクロとシロは、必死に抵抗をしていく・・。

クロは、喧嘩も強く頭も良い少年です。そして、シロは、そんなクロが好きでとてもピュアな心を持った少年です。クロは、シロの世話をやき必死に守ろうとします。しかし、暴力がすべてである生活の中では、徐々にクロの気持ちは揺れていきます。敵の新興ヤクザからの攻撃を避けるため、大人のような振る舞いをしてしまうクロ。

シロのためと思い別れを選びますが、それはクロを狂わすことになっていくのです。シロは祈り、暴力だけでは解決できないことをクロに呼びかけます。想いが通じたとき、互いの欠けているものを知り補い合うことの大切さに気付くのです。

現実社会では、クロのように暴力で解決を見つけようとする人が増えてきています。シロの心を必要としながらシロの存在に気がつくことができないでいます。純粋な優しい心に出会うことは、現実社会では難しくなってきているのでしょうか・・。

※鉄コン筋クリート