Asagi's Art News





アート見本市 ~ 20世紀美術探検2007年02月05日 23時54分11秒

国立新美術館のオープニングで、唯一有料の展覧会「20世紀美術探検」を見ることにしました。入り口で受け取った展示案内を見てびっくりしました。なんと展示スペースが、ゆうに3会場分あります。ビエンナーレ、トリエンナーレ並みの広さに唖然としました。

とりあえず、最初の作品が気になり振り向いてみると、部屋にセザンヌの「ラム酒の瓶のある静物」が1つだけありました。ものすごく贅沢な空間で、いよいよはじまるという感じを与えてくれました。

ラム酒の瓶のある静物
ポール・セザンヌ「ラム酒の瓶のある静物、1890」

次の部屋に行くと洋画と日本画の巨匠の作品が、次々にあらわれます。作品もさまざまに変化していくばかりか、その展示方法も同時に変化していきます。さながら、こんな展示もできると言ったアート見本市のような感じがしました。

展示会場は、大きく6セッションに別れますが、絵画、版画、素画、オブジェ、焼き物、現場再現、家具、映像、インスタレーションと、まさに20世紀の芸術を終結させたようです。もちろん主義や主張は、さまざまで印象的な作品もたくさんありました。

その個性たちの中、強いて象徴的な作品を1つあげるとすれば、マンセル・デュシャンの「泉」でしょうか・・あまりにも有名で、異論や物議が絶えないこの作品、ただの男性用の便器です。

泉
マンセル・デュシャン「泉、1917」

どこが芸術なのか・・20世紀の芸術そのものような作品と思います。感動とは別の驚きが、そこにあるような気がしました。芸術とは何なのか、その答えを探る新しい美術館の主題が見え隠れするような展覧会でした。

※国立新美術館