Asagi's Art News





夢の中 ~ Ashes and Snow2007年06月10日 23時23分35秒

移動式の美術館というコンセプトが、気になったのでお台場まで出かけてきました。貨物コンテナで作られた側壁は、かなり高く(17m)建物自体も巨大でした。海の近くということもあり、横浜トリエンナーレのような雰囲気があります。

ノマディック美術館

写真家グレゴリー・コルベールの作品を、表現するための建物との説明でした。雑誌などの紹介では、動物と人間の調和がテーマのように感じていたからでしょうか、その巨大な建物から受けるイメージは現代のノアの箱舟のようです。

展示スペースは、3つで写真、動画、写真の構成で見せていきます。良かったのは、ゆったりとした音楽を流していることでしょか・・・照明もかなり落としていて、1つ1つの作品もスクリーンのように大きく迫力がありす。作品の世界に入り込めるような雰囲気作りはなかなかです。

写真は長い回廊に規則正しく展示され、その奥にスクリーンが置かれ動画が再生されています。真ん中の部屋のスクリーンが、いちばん大きく映画館のようでした。内容的には、ゆったりとした時間の中で動物と人間が、触れ合う場面が繰り返しです。

グレゴリー・コルベール
グレゴリー・コルベール「Ashes and Snow、2007」

セピア色の作品は、夢の中にいるような錯覚を引き起こします。それは、現実世界では、ありえない光景なのです。動物と人間は、同じ地球に暮らしながら異なる世界に生きているのです。自然から与えられた役割が異なり共存することは、可能かもしれません。しかし、種族を超えて交わり、変化して行くことはできないと思っています。

最近、地球環境の危機が叫ばれていますが、あくまでも人間にとって都合の良い地球の姿を願っているだけです。他の種族にとっての地球環境とは、どうのようなものなのでしょうか? もしかしたら人間のいない世界を、望んでいるのかもしれません。この地球上で人間だけが特別な存在であるはずがない、そんな感じがしてきた展覧会でした。

※Ashes and Snow

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