Asagi's Art News





学びながら食べる ~ ミュージアム・レストラン・ガイド2007年07月09日 00時04分15秒

ふらっと書店の棚ののぞいていたら、とても興味を引く題名の本をみつけました。朝日新聞社から出ているミュージアム・レストラン・ガイドという本です。まえがきに「いいミュージアムに、いいレストランが存在するのは、決して偶然でない・・・学びながら食べる」とあり、思わずうなずきました。

ミュージアム・レストラン・ガイド
畑中三応子「ミュージアム・レストラン・ガイド、2007」

紹介されているレストランというかミュージアムは、東京の周りだけ(山梨、長野も一部ありますが・・・)ですが知らないところもあって、新たな発見があります。もちろん、あさぎの良く知るところもありますから、記事と内容のギャップなどを考えるととても楽しいです。

あさぎの大好きな原美術館の「カフェ・ダール」もちゃんと載っています。簡単なミュージアムの歴史と特徴を上手に紹介していると思います。お勧めメニューもあって、この次いったときに頼んでみようかなって思ったりできます。

残念なのは、最近お気に入りになった青山ユニマット美術館の「カフェラミル」が載ってなったことでしょうか。それから、ぜひとも全国版に拡張して欲しいものです。こんなに楽しい企画がいままでなかったのが不思議です。

フランドルの技術 ~ プラハ国立美術館展2007年07月16日 23時58分52秒

台風が近づく渋谷の街ですが、ふだんとあまり変わりがない様子です。ブールーゲルとルーベンスの作品に会うため、Bunkamuraまでやってきました。会期終了まじかということなのか、思いのほかたくさんの人が集まっています。

プラハ国立美術館展

テーマ毎の時代順という感じで展示がされていました。最初は、ブリューゲルの風景がでしたが、17世紀の作品にもかかわらすすばらしい色彩です。プラハ美術館の修復と保存のレベルの高さが伺えます。

次にルーベンスの作品が続くのですが、やはりその迫力は確かです。題名を忘れてしまいましたが、ルーベンスの油彩でありながら素画のような単色描かれた作品が気に入りました。線の躍動感がすばらしいく遊びとも思えるような作品は、なぜ描いたのでしょうか? 丹念に描かれた肖像画にも負けない美しさがあります。

ブリューゲルにしても、ルーベンスにしても工房あり、そこから大量に作品が生み出されていることは知っています。しかし、その技術は均一であり完成度が高いものです。当時の教会や貴族から絶大な人気を得たのも納得できます。

後半にきて、ポスターにあるブリューゲルの「磁器の花瓶に生けた花」などの静物画があらわれます。スパーリアリズムと言える作品は、いまでも十二分に驚きです。ヴァニタスの要素を含んでいますので意味を考えるとおもしろいと思いますが、今日のところはその写実を満喫として楽しみました。

ヤン・ブリューゲル
ヤン・ブリューゲル(子)に帰属「磁器の花瓶に生けた花、17世紀」

※Bunkamura

愛を留める画家 ~ シャガール展2007年07月17日 22時52分38秒

空中に浮くような感覚と鮮やかな色を感じたくて千葉まできました。横浜からは1時間、湾岸を電車に揺られながらです。先日、青山で見てきたばかりですが、この展覧会は版画もあるより大きなものだったので期待が膨らみます。

シャガール展

基本は時代順です。ロシア時代、パリ時代、アメリカ時代、そして再びフランスに彼の旅は続きます。彼の作品には必ず描かれるものがたくさんあり、それを探すのが楽しいです。にわとり、鳩、ロバ、牛などの動物、彼の故郷の風景、そしてパリの風景などなどが描かれています。

さりげなくそこにいて、目を凝らさないと見つからないかもしれません。そして、空中に浮かぶ男女は、シャガールとベラです。鮮やかな色の中で、愛する幸せが形になっています。とても幸せな気分になることができます。

緑・赤・青の恋人たち
マルク・シャガール「緑・赤・青の恋人たち(街の上で)、1983」

その場にいるだけで満足する。彼の作品についてあまり語ることはありません。ただ、画家は作品を通して時間を留めることがでるのです。ゆえに彼は、愛を留めることができる画家なのです。永遠の愛を・・・

※千葉市美術館

人生を刻む写真 ~ アンリ・カルティエ=ブレッソン2007年07月18日 23時57分29秒

ライフ誌などの紙面を飾った写真家、アンリ・カルティエ=ブレッソンの個展が竹橋で行われています。彼の名前は正直知りませんでしたが、その作品はどこかで見たことのある歴史的なものです。

アンリ・カルティエ=ブレッソン

世界中を旅して歩き、写真を撮り続けた人生のようです。この日本にやってきて、ひそかにカメラのシャッターを押していたようです。目立つことを好まず、あるがままの世界を見つめていたようです。

展覧会は、テーマ毎に展示されていて、会場に入るとまず第2次大戦直後のドイツの人々が写っていました。古い写真でナチに協力した女性を断罪する場面が展開するとても衝撃的な作品です。

そして、次に彼が訪れた国や地域別に紹介に移っていきます。ヨーロッパ、メキシコ、インドネシア、インド、ソビエト、アメリカ・・・その時代のさまざまな人々と風景が絵画のように展開します。

不安そうなまなざし、興味深そうな表情、宴の喜びなどテーマもさまざまです。日本を撮った風景は、昔ともいまとも違った日本がありました。遠いどこかの国のような感じがするのはなぜでしょうか?

彼の写真で印象に残ったのは、ポートレートです。特に芸術家や作家などの有名人のポートレートは興味深いです。例えば、ピカソやレオノール・フィニなど作品を知る画家たちに表情は、とてもおもしろいです。

アンリ・マチス
アンリ・カルティエ=ブレッソン「画家アンリ・マチス、ヴァンスの自邸にて、1943」

特に気に入ったのは、アトリエにいるマチスです。考え深げにこちらを見つめている姿に哀愁を感じます。写真とは思えないほど絵画的な感じのする作品で、彼らの人生までも写し込んでいるように思えます。

※国立近代美術館