Asagi's Art News





こんぴらんさんの宝物 ~ 金刀比羅宮 書院の美2007年08月14日 23時44分46秒

金刀比羅宮というよりも「こんぴらんさん」の方が親しみがあっていいです。しかし、四国・香川の海の神さまということぐらいしか判らないのも事実です。だから、この展覧会で紹介される応挙や若中の作品があるとはまったく知りませんでした。

藝大美術館

藝大美術館の展示は、地下1階と3階の2箇所に別れているのですが、だいたい大きな作品を3階に展示するようにしているようです。今回は、3階に障壁画のある書院を再現していました。ちなみに地下1階は、絵馬や奉納品の展示です。

展示の前半は表書院で、看板やポスターになっている円山応挙の虎の障壁画が出てきます。墨の濃淡で描き分けられた縞模様と実物大に近い大きさは、迫力があります。何匹いるのかを数えませんでしたが、1匹だけ白虎が混ざっています。実に日本人らしい感覚です。

藝大美術館
円山応挙「遊虎図 表書院 虎の間(部分)、1787」

勇ましいはずの虎なんですが、良くみると可愛い表情としぐさをしています。解説にもあってのですが、応挙は実際の虎を見たことがないため、虎の毛皮と猫を参考に描きあげたそうです。だから、大きい猫になってしまっているのでしょう。でも、そこが良いところだとあさぎは思います。

伊藤若中の作品は、展示室の奥の奥書院にあります。繊細な筆使いで草花を図鑑のように描いています。貴重な作品であるため照明がかなり暗いので、部分で見るような感じになってしまったのが残念ですが、鮮やかな色彩はやはり若冲とうなる感じです。

※金刀比羅宮 書院の美