Asagi's Art News





海の男 ~ アルフレッド・ウォリス展2007年08月29日 23時32分27秒

海に面した新しい美術館です。横須賀ですが、どちらかと言うと浦賀の方が近いのかもしれません。京急で馬堀海岸に出て、さらにバスで観音崎京急ホテル前までちょとした小旅行です。まだまだ日差しも厳しい夏の午後、海に貨物船がゆっくり進んでいます。

横須賀美術館

今回の展覧会は、そんな海を感じさせてくれるアルフレッド・ウォリスという、素朴な船の姿を描くイギリスの画家でした。彼は、70才を過ぎてから絵を描きはじめた元船乗りです。もちろん、独学ですが海を愛した優しい暖かさが作品から伝わってきます。

同じ時代、フランスでは、エコール・ド・パリの画家たちの華を咲かしていました。しかし、彼はそんなことさえ知らず、自分の好きな世界を描いていたのでしょう。画材さえ選ばず、キャンバスはどこにでもある厚紙、絵具はペンキです。

若い頃から共に暮らしてきた海が大好きで、残された人生を謳歌しているかのようです。誰よりも多くの海の表情を知っている。優しさも、厳しさも、すべてを知っているからこそ描けるのかもしれません。

横須賀美術館
アルフレッド・ウォリス「青い船、1934」

画面いっぱいに描かれた船には、海の男のロマンが満ちています。仕事場であり、家庭であった海・・・一枚一枚心に刻みながら時が満ちるまで描き続けるのです。

※横須賀美術館

コメント

_ アルフレッド・ウォリス ― 2007年08月31日 10時38分42秒

こうやって海の男の作品を、海辺の美術館で観るのは最高です。
暑い夏だけに印象深い横須賀訪問でした。

_ あさぎ ― 2007年09月02日 23時54分03秒

こんばんは、コメントして頂いたのはとらさんだと思いますが・・・

かなり遠いところにある美術館ですが、環境はかなり良いところだと思います。企画展もなかなかおもしろいところに目をつけていますね。また、訪れたい美術館のひとつになりました。

トラックバック

_ Art & Bell by Tora - 2007年08月31日 10時32分59秒

 4月にオープンしたばかりの横須賀美術館。行きたい、行きたいと思っていたのだが、東京からはちょっと遠いので、今日になってしまった。京急線「馬堀海岸」からバス。 美術館の前はすぐ海。沢山の船が行き来している。夏にピッタリの環境である。観音崎公園の山をくり抜いたように建てられている。 潮風による作品の劣化を防止するため、コンクリートの建物をすっぽりガラスで取り囲んでいる。コンクリートの壁には上面にも、側面にも円形の明り取りがあり、そこから海を行くヨットなども望める。

 今日の1階の企画展は「アルフレッド・ウォリスー海に生きた素朴画家」である。イギリス人のウォリス(1855-1942)は...