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日本近代美術史 ~ 日展100年展2007年09月02日 23時49分24秒

文展からはじまって、もう100年の月日が過ぎました。芸術に一定の評価を下すことは、大変難しいことだと思います。しかし、こうした品評会を経て社会的地位を持ち、多くの作品を残すことができるようになるのも事実です。

夏休みの六本木は、地方から観光にくる人たちで賑わっていました。美術館にもあまり訪れたことのない人たちがたくさん来ています。貴重な時間を美術館で過ごすことにしたのですから、良い思い出ができるといいと思います。

日展100年

さて、この展覧会ですが、日本近代美術の100年間を歴史順に凝縮させて紹介しています。明治のはじめ、芸術の近代化と伝統がぶつかりながら議論されます。新しい時代の波が、芸術の世界にも押し寄せていました。

ふたつの大きな戦争挟み、その時代での画家たちの苦悩が表れているようです。文展、帝展、新文展、そして現在に続く日展は、日本近代美術史そのものと言えます。

作品の中には、どこかで会ったことのある作品もいくつかあり、この時代にあったのかと少し感慨深い思いがしました。印象に残る作品もいくつもありますが、あさぎは、和田三造の『南風』が良かったです。

和田三造
和田三造「南風、1907」

もちろん、以前にも何回か出会っている作品です。しかし、同じ時代の作品と比べてみると、とてもダイナミックで彫刻のように肉体に明治時代のアカデミックな雰囲気をあらためて感じました。

新しい時代の幕開けを飾った1枚だったのです。ここから歴史が始まると言う感じです。青い海をひた走る船、漁師と言うよりも神話に出てくる神々のような雄姿は、とても誇らしげで魅力的です。

※国立新美術館

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