Asagi's Art News





感動よりも疑問 ~ シュルレアリスムと美術2007年11月20日 00時25分54秒

不思議な世界を覗いてみたい欲望は、誰にでもあると思います。だからでしょうか? シュルレアリスムは、たいへん人気があります。いつも静かな横浜美術館、大繁盛とはいきませんが、ちょっとにぎやかでした。

シュルレアリスム

はじめは、やはりと言うか・・・キリコでした。シュルレアリスムとは厳密には違うと思いますが、その怪しい世界の入り口は、トワイライト・ゾーン(ちょっと古いかな?)のような感じがします。

いろいろと作品を揃えているのですが、どれが良いかと言えば、展示の前半に持ってきたマグリットです。あのバブルの頃に世界中から日本に集めたマグリット。申し訳ない気もしますが、良い作品がたくさんあって嬉しいです。

その中でも見たかったのは、もちろん宇都宮美術館の『大家族』です。海岸に大きな鳩のシルエット。マグリットのあの青空が真ん中にあります。展示位置の影響かもしれませんが、意外にくすんだ画面という印象でした。

大家族
ルネ・マグリット「大家族、1963」

これから訪れる冬を感じさせる寒そうな空気が伝わってきます。静かで音が無いような感じします。しかし、どうしてこの作品が『大家族』と言うのか? 考えてしまいます。この難解さが魅力なのだと思います。

見る者に感動よりも疑問を投げかける。その答えは、それぞれあってどれも違い、ひとつの謎が解けると新たな疑問が生まれる。永遠に終りそうにない哲学のようです。

※シュルレアリスムと美術

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