Asagi's Art News
キリコじゃない ~ 小杉小次郎展 ― 2008年02月01日 23時01分34秒
損保ジャパンが企画する美術大賞の受賞者の展覧会が、いつもこの時期に開催されます。今年は、小杉小次郎という人でした。故中川一政に絵画を学び、70年に渡仏。いまはフランスと日本を行き来しながら活躍をしているそうです。
展覧会のポスターにある絵は一瞬ですが、キリコの作品を意識しているのかと思うような感じを受けます。ただ、良く見るとキリコにような孤独感や空虚感がないのがわかります。どちらかと言うと暖かみのある別の世界です。
幾何学的な感じもするのですが、暖かい色彩が柔らかい感じを出しているのがすてきだと思います。季節的に気に入った作品は、雪山の風景の脇に立つバイオリン弾きを描いた「雪の窓辺のバヨリン弾き」です。
小杉小次郎「雪の窓辺のバヨリン弾き、1996」
単純な半円で描いた山に可愛い家々が見えます。小道がスキーのシュプールのようにも見えるところが楽しげです。バイオリン弾きは人形なのでしょうか・・・山に背を向けているところが、なんとなく気取っていておもしろいです。
現役の画家の作品もギャラリーではなく、美術館で見ることができると落ち着いて鑑賞できるので良いものです。もしかしたら、この作品はあの風景であるとか、あのことを感じているのかなど想像するのも楽しいです。だから、このような企画展は続けていってほしいと思っています。
※損保ジャパン東郷青児美術館
展覧会のポスターにある絵は一瞬ですが、キリコの作品を意識しているのかと思うような感じを受けます。ただ、良く見るとキリコにような孤独感や空虚感がないのがわかります。どちらかと言うと暖かみのある別の世界です。
幾何学的な感じもするのですが、暖かい色彩が柔らかい感じを出しているのがすてきだと思います。季節的に気に入った作品は、雪山の風景の脇に立つバイオリン弾きを描いた「雪の窓辺のバヨリン弾き」です。
小杉小次郎「雪の窓辺のバヨリン弾き、1996」
単純な半円で描いた山に可愛い家々が見えます。小道がスキーのシュプールのようにも見えるところが楽しげです。バイオリン弾きは人形なのでしょうか・・・山に背を向けているところが、なんとなく気取っていておもしろいです。
現役の画家の作品もギャラリーではなく、美術館で見ることができると落ち着いて鑑賞できるので良いものです。もしかしたら、この作品はあの風景であるとか、あのことを感じているのかなど想像するのも楽しいです。だから、このような企画展は続けていってほしいと思っています。
※損保ジャパン東郷青児美術館
裏の裏 ~ GOTH展 ― 2008年02月03日 19時20分35秒
どうにも良く判らない世界があるもので、GOTHもそのひとつなのかもしれません。GOTHとはゴシックのことらしいのですが、今回の展覧会は中心はゴッシクロリータなどのファッション的な要素が多いようです。
退廃的とか、野蛮的とかの日本語を使うときもあるようですが、ひまひとつシックリこない。キモカワイイという表現がありますが、きっとそのような感じなのかもしれません。ただ、理解はできませんが、そのスタイルを確立している人はかなりのものだと思います。
展覧会では、6人の作家が作品を提供していました。リッキー・スワロー、Dr.ラクラ、 束芋、イングリッド・ムワンギ・ロバート・ヒュッター、ピュ~ぴる、吉永マサユキ。それぞれが個性的な作品を作り上げています。お互いがシンクロしているわけではないように思えるのですが、オムニバス映画を見ているような感じかもしれません。
一瞬の短編映画のような感じだと思います。こういう世界もあることを認識するには、良いような気がします。万人が受け入れるものではありませんが、個を深く考えている・・・裏の裏を覗いているような感じのする展覧会でした。
※横浜美術館
退廃的とか、野蛮的とかの日本語を使うときもあるようですが、ひまひとつシックリこない。キモカワイイという表現がありますが、きっとそのような感じなのかもしれません。ただ、理解はできませんが、そのスタイルを確立している人はかなりのものだと思います。
展覧会では、6人の作家が作品を提供していました。リッキー・スワロー、Dr.ラクラ、 束芋、イングリッド・ムワンギ・ロバート・ヒュッター、ピュ~ぴる、吉永マサユキ。それぞれが個性的な作品を作り上げています。お互いがシンクロしているわけではないように思えるのですが、オムニバス映画を見ているような感じかもしれません。
一瞬の短編映画のような感じだと思います。こういう世界もあることを認識するには、良いような気がします。万人が受け入れるものではありませんが、個を深く考えている・・・裏の裏を覗いているような感じのする展覧会でした。
※横浜美術館