Asagi's Art News





また3年後に・・・ ~ 横浜トリエンナーレ2008年12月04日 00時30分24秒

3年前に訪れたときは、とても寒い夜であったと記憶しています。メイン会場も元町・中華街駅から港に向かいバスに乗ってメイン会場に行ったことを覚えています。初めてのトリエンナーレにドキドキ感がありました。

横浜トリエンナーレ

さて、今回のメイン会場は新港ポートというところです。桜木町の駅から赤レンガ倉庫に向かう途中にある港の倉庫でした。見た目やや大人しい感じのする会場のような印象を受けました。会場の断熱性も前回に比べると良くはなっているのですが、アートサーカスと銘打った前回とは雰囲気が少し違いました。

横浜トリエンナーレ

作品と作品の間には完全にしきりがあって、作品と作品の融合感を感じることが出来ませんでした。全体的に明るい会場でビデオインスタレーションだけが暗くなっている感じでした。それに、かなり大がかりなインスタレーションを期待していったのですが残念ながらなかったです。

横浜トリエンナーレ

横浜トリエンナーレ

会場がいくつか別れているのは良いのですが、やはりメイン会場では、インパクトのある作品を展示してほしかったと思います。もちらん予算的なこともあると思いますが、「これはすごい!」とか、「良くわからないけど楽しい」というセンスが大事なのだと思います。

横浜トリエンナーレ

ディレクターがどこかの学芸員だからと言ったことを耳にしましたが、現代アートの持っているエネルギーをもっともっと全面に展開しても良いと思いました。コンパクトにまとまりすぎている感じがするのが残念でした。

横浜トリエンナーレ

横浜トリエンナーレ

トリエンナーレは「まつり」の要素も大切だと思います。続けること自体が大変なのは知っていますが、知恵を出して横浜でなければできない、横浜だから見に行くんだと思わせる工夫を次回に期待します。

横浜トリエンナーレ

多少批判的なことを言っているのは、期待が大きいし、何より横浜が好きだからです。また3年後に「まつり」として帰ってくることを期待しています。頑張れ! 横浜トリエンナーレ!

横浜トリエンナーレ
※横浜トリエンナーレ

ピカソの秋 ~ 巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡&魂のポートレート2008年12月14日 23時19分21秒

六本木、ピカソの秋が終わろうとしていました。ちょっと遅くなりましたが、フィナーレに間に合いました。これ程の数のピカソが集まる機会は2度とないかもしれません。新美術館とサントリー美術館の2館仲良くピカソを楽しんでいるようです。

巨匠ピカソ

同じ日に一緒に見るのが良いような気がしましたが、あさぎはプレ・フィナーレに新美術館、グランド・フィナーレにサントリー美術館を訪れることにしました。どちらの美術館も最後まで良いところを見せようと頑張っているようです。

巨匠ピカソ

新美術館は、赤を基調に華やかさをイメージしているようでした。スペインの暑く眩しさをピカソにも感じます。完成された初期の作品、キュビズムニをまとった作品、そしてアフリカを取り込んでいく。このパワーはどこから来るのでしょう?

天才であるが故の苦悩もあったと思います。しかし、彼はそれは愛によって救われると感じていたのではないでしょうか。たくさんの恋人がいます。ひとつの愛は、ひとつの作品に変わる。彼は知っていたのでしょう、すべては愛のためにつながると・・・

巨匠ピカソ

サントリー美術館は、赤に対して青をイメージしています。静寂の青です。自分を見つめるために自画像に向き合っています。派手さはありませんが、深く見つめるための作品がありました。

どの作品がベスト・チョイスなのかは、あまり意味のないのように思います。戦争に対して彼は絵画を持って戦いました。暴力とは何か、孤独とは何かと問いかけ戦いました。エンドレスの戦争は、変えることの出来ない悔しさや寂しさを感じます。そんな一面が見ることが出来たのも収穫のひとつでした。

※tokyo PICASSO

静寂のアメリカ ~ アンドリュー・ワイエス展2008年12月28日 23時10分03秒

2008年最後の展覧会は、アンドリュー・ワイエスにしました。この展覧会も会期が迫っての訪問になりましたが、世間の喧騒とは隔離された静寂のアメリカを堪能したいと思いました。

アンドリュー・ワイエス

情報として伝わり来るアメリカのイメージは、最先端であるとか、もののあふれた豊かさとか、明るく誰にでも夢が叶うような・・・ある意味すり込まれたもののような気がします。

本当は農業大国で、田舎と言われる土地たくさんあるのですが、そう言ったところが見えないのが現実なのかもしれません。ワイエスは、本当のアメリカを見つめ描き続きてきたのだと思います。

短い夏と厳しい冬に耐える人たちがいることをちゃんと見つめているのです。そして、美しいものは身近にあることも教えてくれます。ビックリしたのですが展覧会の中でインタビューのビデオがあり、そんなことを語っていたのが印象的でした。

※Bunkamura

訃報
2009年1月16日:アンドリュー・ワイエス氏は、自宅のある米ペンシルベニア州チャッズフォードで死去されました。享年91歳。ご冥福をお祈りします。