Asagi's Art News





天平の美少年 ~ 阿修羅展2009年05月04日 23時35分09秒

大人気の阿修羅展ですが、海洋堂作成のフィギュアも大人気で予約完売したとのニュースを耳にしました。そのフィギュアですがかなり高め(3000円)なのですが、仏像ファンの心を揺さぶるほどの出来なんだそうです。フィギュアにも少し興味がありますが、やはり本物を見てみなければと思い博物館に向かうことにしました。

阿修羅展

上野はやっぱり良いところです。桜はすっかり緑の若葉に変わり、新緑の季節を感じます。ゴールデンウィークがはじまったとは言え、一応平日なのですが…行列が出来ていました。びっくりしましたが、20分程度の待ちだったのでやれやれと言ったところです。

博物館の前には日陰になるところがなく、日傘の貸し出しと水分補給の配慮があり感心しました。混雑対策万全とまでいかないと思いますがなかなか良いサービスだと思います。さすがは、国立博物館と言ったところです。

さて、会場は相変わらず広く雄大な感じ受けます。いつもはエスカレーターを上がると反時計回りに順路をとるのですが、右側の通路を進むように指示をされ企画展用のミュージアムショップ側から会場(通常は第3展示室です)に入りました。ちょっと雰囲気が違います。

興福寺に関わる宝物の展示からはじまるのですが、かなりの人溜まりが出来ています。貴重なので見ておきたい気持ちもあったのですが、早く仏像が見たかったので先に進みました。混雑は多少緩和されましたが、なかなか自由に移動することが出来までせんでした。

いつもは第4展示室となるところからちょっと圧倒されるような光景が広がりました。あまり仏像には詳しくありませんが、八部衆の面々が整列している姿はまさに爽快です。くちばしをもった迦楼羅、幼顔の沙羯羅など一般的なイメージとは少し違う印象がありました。

そして、今回特別な通路(第3展示室に戻る)が作られています。赤い壁に囲まれた通路を進むと、ついに阿修羅が堂々と展示されています。ダ・ヴィンチの受胎告知の時を思い出すような感じの展示方法です。

阿修羅展

最初に遠目から少し高くなったところから全体を、そして下に降りて間近から細部を鑑賞できるようになっていました。阿修羅の印象は、細身でありながら、光が放たれるオーラのようなものを感じることができます。少し悲しげな正面の顔、6本の腕がなんとも言えぬ雰囲気を持っています。

左右の顔もじっくり見ることができ、たしかに誰かが言っていたように、3つの顔で人の成長(悟り)を表しているように思います。少しライティングが強すぎて肌の赤が見にくい感じがしましたのが残念でしたが、天平の美少年をたしかに目に焼きつけました。

※東京国立博物館

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