Asagi's Art News





ミステリー ~ ラロックの聖母2009年08月23日 21時43分13秒

前回は惜しくも会場までたどり着くことができず、あらためて人出が少なそうな日を選びリベンジをすることにしました。お天気は、雨が降りそうな曇り、家族連れが帰宅する夕方の閉館前です。それでも、人気のスポットのフジテレビだけあって、あの球体へは10分近くエレベータを待つことになりました。

ラロックの聖母

なんとか24Fまで到着して、階段を使って25Fの聖母の待つ球体に移動しました。球体の中は思ったよりも小さい感じですが、中に入るとテレビ屋さんらしい演出でいくつかのモニターで聖母発見のVTRを流していました。

ちょうどしきりになっている壁に向こう側に聖母があるらしく、少しですが人の列ができていました。列に並ぶとすぐにアクリル板に囲まれた『ラロックの聖母』があらわれました。意外に小さい印象で、やはり全体的に画面が暗い感じがします。

ラロックの聖母
作者不詳「ラロックの聖母、16世紀?」

スポット光がやや強めなのが気になりましたが、キャンバスの裏側も見えるように工夫しているところは感心できます。思ったよりもきれいな状態で、細部もかろうじて判りました。聖母の光臨こそ判りづらいですが、背景も少し引いてみるとかすかに判ります。聖母の顔もとても優しそうで良い顔をしています。

本物であるかの真偽が話題になっていますが、古い時代の貴重な作品であることは事実のようです。あまり強いオーラのようなものは感じませんが、いろいろな意味で興味深い作品です。なぜいまになって現れたのかとか…

テレビ屋さんが騒ぎ立てるミステリーも面白いですし、ルネッサンス期の作品にはなかなか会うこともできないので、とても貴重な機会だと思います。テレビ屋さんが扱うと客寄せ的な色もののような印象を与えかねないですが、地味な研究を重ねて新たな発見があると良いなと思います。わざわざお台場まで足を運んだかいがあったように思いました。

※ラロックの聖母

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