Asagi's Art News





夕暮れと鳩サブレー ~ 七里ヶ浜2009年11月03日 00時04分21秒

鎌倉の七里ヶ浜から江ノ島に向けてシャッターを切ってみました。この日は穏やかな天気が続き、夕暮れて晩秋の雰囲気にひたることができました。空にはところどころ飛行機雲がありました。

まだ少し紅葉には少し早かったようで、山は緑に囲まれていました。お土産に江ノ電サブレーというものを見つけて気になったのですが、やっぱり豊島屋の鳩サブレーにしました。冒険も大切ですが…無難な選択は人に喜ばれます。

七里ヶ浜

佐倉紀行 ~ 静寂と色彩:月光のアンフラマンス2009年11月12日 00時38分52秒

良い天気に恵まれ、秋の佐倉に出かけてきました。今回はちょっと特別で、あさぎの通っている絵画教室の先生の作品が展示されることになり、先生と絵を描いている仲間で出かけることになったのです。

展覧会は、『静寂と色彩:月光のアンフラマンス』と言って、国内外の新旧を取り混ぜて幻想的な世界をテーマにしているようで、川村記念美術館の抽象画コレクションと合わせた効果を狙ったようでした。

川村記念美術館

現役アーティストの作品を本人と一緒に見るというのも不思議なもので、どんな気持ちで制作したとか、どんな狙いがあるかとか、対話しながらの鑑賞はおもしろいものです。あさぎの先生は、比較的大きな画面の抽象画を描いています。アクリル絵の具を使用していて、淡い光のカーテンで暖かみのある作品が特徴であると思います。今回の展示テーマにぴったりのような気がします。

小池隆英
小池隆英「Eye Wall 、2009」

また、この日、ちょっとしたイベントとして、インスタレーションの小野田賢三さんがたった一人の観客に対してだけ、作品を見せるという実験的な試みを実施してくれました。観客はあさぎの先生ですが、ヘッドホンを付けそこから聞こえるくるものが作品だとのことでした。

見ている方は何だろ? 実は観客も何だろう? となったようでした。ヘッドホンから聞こえてくる音の正体は、音楽ではなく美術館の中で録音した音らしかったようです。実演が終わって解説となったのでが、それでも場の雰囲気は、ちょっとモヤモヤと言った感じでした。

インスタレーションのアーティストとお話をするのは初めてだったのですが、作品についてとてもおもしろお話が聞けました。狙ってはいないとのことでしたが、みんなが感じた何だろう? といったことが大切だったようです。アートには具象と抽象があります。しかし、具象と抽象の中間とは何だろ? そんな表現が出来ないか、ということで企画をしてみたそうです。ちょっと難しいですが…

秋の一日、とても良い時間を過ごすことが出来ました。話は少しそれますが、作品を作っていくことにプロもアマチュアもあまり変わらないと思ったりもしました。そして、いろいろと刺激し合い吸収していることに気がつきました。あさぎは作品と呼べるものは創っていませんが、取り組む日も近いかもと思うことが出来ました。

※川村記念美術館

淡い朱が闇を包む ~ 速水御舟展2009年11月18日 00時17分42秒

新しい美術館は、恵比寿にあります。恵比寿駅からは、小さな渋谷川を渡り、なだらかな坂道をしばらくのぼっていきます。あまり斬新な建築の建物ではなく、周りに溶け込んだオフィスビルのような感じの美術館です。1階のスペースには、念願の喫茶室もあるようです。

速水御舟

展示室は、地下になります。階段の壁に加山又造の陶板壁画『千羽鶴』が展示され、いかにも日本画専門の美術館であることを強調しているようで良い感じです。速水御舟展はオープニングではありませんが、山種美術館の今年一押しの展覧会のように思います。また、御舟の代表作の『炎舞』も、なかなか会うことの出来ない作品でとても良い機会に恵まれました。

初期の作品からのオーソドックスな展示です。最初に水彩やスケッチが ありましたが、子供の頃からとても絵の上手であるとすぐに判ります。観察力があり繊細で細かい作品が目を楽しませてくれます。会いたかった『炎舞』は、比較的若い時期の作品のようで前半部分に展示されていました。

イメージでは、漆黒に朱で描かれた炎と言った感じだったのですが、漆黒ではなく、淡い朱が闇を包むようなもわっとした感じのものでした。炎に舞う蛾の描写の細かさには驚きます。妖艶で妖しい炎が虫たちを引きつけ、命を吸い取っていくような気がします。

速水御舟
速水御舟「炎舞、1925」

これ程のすごい絵を描く人なのですが、人物画は苦手だったようです。人物画に取り組んだ頃のデッサンがいくつかあったのですが、だいぶ苦労をしていたことが伝わってきました。しかし、あきらめないところが御舟のすごいところで、徐々に完成系に近づいていきます。

残念なことは、はじめての人物画の大作の作成途中で亡くなってしまったことです。今回、その下絵が展示されていたのですが、本当にもう少し彼に時間があったら、新たな評価がされていたと思わせる良い作品でした。最後まで次の一歩を踏み出すため努力をする。とても大切なことだと思います。

※山種美術館

オレンジ色の・・・ ~ 大・開港展2009年11月27日 10時12分06秒

オレンジ色の看板が目印の大黒屋さんでは、手軽に格安のチケットが手に入ります。たまたまロートレック展のチケットを買いに行ったとき、物欲しそう見えたのかもしれません…サービスで終了日が近い展覧会のチケットをもらうことが出来ました。

それで、大・開港展というノーマークの展覧会に出かけることになりました。横浜美術館で開港150周年に合わせて企画した展覧会で、幕末から明治維新へと変化する横浜の風土や情景をテーマにしています。

大・開港展

徳川家に関わる宝物は最高級の職人の技が光り、絵画は狩野派による伝統の形で引き締まっています。近代横浜のいしずえを感じる作品たちなのですが、メインにとなる作品が絞れないのが少し残念でしたが、おもしろい企画で良かったと思います。

そして、この展覧家のあと久しぶりに常設展の方まで足を運んでみました。あまり展示に変化はないのですが、日本画のエリアに松井冬子の『世界中の子と友達になれる』が展示されていました。初対面ではありませんが、この作品は好きなので嬉しかったです。

やはり絵が繊細で上手です。しっかりしたデッサンがあるからだと思います。色も淡く日本画の美しさを感じることができます。彼女の作品は、かなりグロテスクなものが多いことが知られています。話題作りのための意図的なものと考える人もいますが、彼女の世界なんだと思います。

松井冬子
松井冬子「世界中の子と友達になれる、2002」

少し厳しいと言うか、一線を越えている作品もあり、すべての人に受け入れられるものではないのですが、その美しさは魅力的で冬子ワールド展開します。次にどんな作品が出てくるかがとっても楽しみです。早く大きめの個展をやってほしいものです。

※大・開港展