Asagi's Art News





創造と破壊 ~ No Man’s Land2010年01月15日 11時01分31秒

大使館というのは、日本にあっても外国であって異なる文化の香りがします。そんな、大使館のひとつであるフランス大使館では、役目を終えた旧庁舎が現代アート発表の場に生まれ変わりました。期間限定ですが、フランスらしい楽しい企画です。

フランス大使館は、麻布という都内でも高級でとても静かなところにあります。細い路地をたどって大使館の前まで行くと、その場には不似合いな段ボールで出来た何やら凱旋門を思わせるような黒い門が出現します。

No Man’s Land

No Man’s Land

建物はあちこちにペインティングがされています。日本やフランスを意識した作品もたくさんあります。もちろん、見ただけでは何だか判らないものあります。廃棄物なのか作品なのか…現代アートらしい光景が広がります。

No Man’s Land

フランス大使館の旧庁舎は、戦後間もない時期に建てられたそうです。ヨーロッパを代表する大国ですが、中に入ってみると意外にこぢんまりとしたたたずまいでした。建物内の各部屋も小さく感じ、秘密基地といったところでしょうか…

No Man’s Land

No Man’s Land

フランス、日本以外のアーチストも参加しているようです。テーマは創造と破壊で、そのままといった感じがしますが、そのストレートな感じに勢いのようなものが伝わってきます。ちょっとワイルドと言った感じです。

No Man’s Land

No Man’s Land

今回は昼間に行ったのですが、曜日によっては夜も鑑賞が可能とのことで、同じ作品でも違った表情を見せてくれるのではと思います。アートは、身近なところにあって何かを語りかけてきます。

No Man’s Land

この後に壊されてしまうフランス大使館の旧庁舎自体が、ひとつの作品であるように最後の輝きを放っているいるように思いました。アートが自然にある国、フランスならでは粋なこころみに敬意を贈ります。

※フランス大使館(2009年11月26日~2010年2月18日)