Asagi's Art News





芸術と哲学の接点 ~ クリストとジャンヌ=クロード展2010年03月14日 23時37分06秒

以前、早稲田大学で行われた哲学の公開講座に参加したときのことです。担当の教授に芸術と哲学の接点について質問してみました。すると教授は、クリスト&ジャンヌ=クロードの作品を例にしていろいろと解説してくれました。

ちょうど、彼らがベルリンでのプロジェクト『包まれたライヒスターク』が注目された頃だったと思います。歴史的建造物を布で包むという発想と行為の中に哲学的な要素がたくさんあるとのことでした。

クリストとジャンヌ=クロード展

彼らの作品は、とても巨大で何年もの年月をかけて表現されるため、美術館の中に収まるものではありません。ですから、展覧会では、プロジェクトのために描かれた原画やコラージュ、過去のプロジェクトの記録である写真とプロジェクトのメイキングの映像を紹介することにしていました。

作品にふれることでも、その真意を感じることは難しいことです。ただ、包むという行為から感じることは、ぼんやりとですが「守りたい」という印象を持ちました。もちろん、彼らは包むことがすべて表現であるとはいっていませんが。

クリストとジャンヌは、とても仲の良いパートナーとして知られています。 互いに「守りたい」もの…それは「愛」であると思います。人は何故惹かれあい、出会うのか? 過去から将来にも続く永遠のテーマです。これこそ哲学です。

残念なことは、昨年、ジャンヌがこの世から旅立ってしまったことです。しかし、プロジェクトはまだまだ続きます。終わりのないテーマは、多くの人に受け継がれて、それぞれが答えを探していくのでしょう。

※21_21 DESIGN SIGHT(2010年2月13日~2010年4月6日)

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