Asagi's Art News





美の追究は止まらない ~ ピカソと20世紀美術の巨匠たち2010年04月26日 23時05分12秒

ドイツのルートヴィヒ美術館からの作品で構成される展覧会です。ヒトラーの時代には退廃芸術として排除の対象となった作品を多く含んでいるところが、なんとも皮肉で歴史を感じることができます。昨年の秋からの巡回展ですが、関東では横浜だけの展覧会になるそうです。

ピカソ

作品はエコール・ド・パリのピカソを中心にシュルレアリスム、モダニズム、抽象へと流れていきます。その時代の代表的な作家を網羅しており、絵画の変化の様子が自然にみていくことができます。ピカソの作品もキュビズム以降の変化を楽しむには、丁度良い作品のチョイスであるように思います。

ドイツの美術館であることから、ドイツ人の作家の作品を多く見ることができます。戦中、戦後のドイツの中で近代美術を作成していくことは、かなり苦しいことがあったと思います。しかし、美の追究は止まらないことをドイツの作家たちは、作品を通して証明しているのだと思います。

今回、大好きなモディリアーニの作品もありました。ピカソのすごさも良いのですが、やはり彼の印象的な肖像画は愛を感じます。この『アルジェリアの女』は、彼が精力的に活動したときの作品になります。酷評をされましたが、個展も開かれている時期のものです。

モディリアーニ
アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ「アルジェリアの女、1917」

簡素な背景に上半身だけの肖像画です。黒髪と褐色の肌がアラブという異国の雰囲気を感じさせるように思います。金のアクセサリーがアクセントになっています。瞳もちゃんと描かれています。作成に対する意欲が伝わってくる感じがして、なかなか良い作品でした。

※そごう美術館(2010年4月8日~2010年5月16日)

コメント

トラックバック