Asagi's Art News





アートの見方 ~ 六本木クロッシング2010展2010年05月01日 10時15分58秒

現代アートに対する発信を行っている六本木で行われている展覧会です。現代アートの可能性という意味で常に発信を行う必要があると言えます。そして、表現方法はさまざまであり、互いに影響し合い交差するとことから「クロッシング」となったそうです。

六本木クロッシング

アートの可能性という面から展覧会では、カメラでの撮影が可能になりました。撮影されたアートからさらに情報が広がり、新たな展開を期待しての試みと言われています。最初は撮影に夢中になるかも知れませんが、それが新たなアートの見方へと発展する可能性はあるように思います。

六本木クロッシング

六本木クロッシング

アートを記録することは、その時に感じたことを思い出したり、別の角度から見る場合に便利あると思います。また、作家による1次的な作品から、撮影により2次的な作品となる・・・これが何とも不思議な感覚であると思います。

六本木クロッシング

六本木クロッシング

インスタレーションなどの作品の一部を切り取ることが、新たなアートを創造する。そのルーチンを含めて作品と考えると、とても大きなアートの広がりを感じることができます。ある程度の制約はあるとしても、この効果はとても大きいものであるような気がします。

六本木クロッシング

六本木クロッシング

すべてのアートには不向きですが、このようなものもあることを広く知ってもらうために美術館は頑張ってほしいなと思います。美術館を訪れることが楽しいと思える人がたくさん増えることに期待したいと思います。

※森美術館(2010年3月20日~2010年7月4日)

ミレーの歌声 ~ ボストン美術館展2010年05月02日 19時45分33秒

森アーツセンターギャラリーとしては、フィリップス・コレクション以来の大型の展覧会になると思われます。古典から近代にかけての名品を一度に集めるには、かなりの苦労があったと思います。レンブラント、ミレー、マネ、モネ、ゴッホと人気の巨匠の作品に心弾みます。

ボストン美術館展

ボストン美術館の改装に合わせての展覧会ですが、この機会に多くの作品が海を渡ってくるのには驚きです。もちろん、経済的な側面や技術的な側面が水面下にあるように思われますが・・・一般の観衆としては喜ばしいところです。

今回はテーマ毎の展示となり、歴史的な順序はありません。このため、主催者側の構成力が問われることになります。「多彩なる肖像画」「宗教画の運命」「オランダの室内」「描かれた日常生活」「風景画の系譜」「モネの冒険」「印象派の風景画」「静物と近代絵画」とテーマは8つに区切られています。

「モネの冒険」のようにかなり意欲的なテーマとするところもあり、なかなか良く考え抜かれているように思います。それぞれにメインとなる絵画が配置されることになっており、例えば、「多彩なる肖像画」では、レンブラントのすごみのある肖像画を、「オランダの室内」では、フェルメールを意識させるようにピーテル・デ・ホーホの室内風景を持って来ています。

何を見せてたいかのがはっきりと判るので、とても気持ちの良い展示と言えます。ビルの形状を上手く使った配置になっており、壁の色やライティングも良くできています。かなりの時間を使い、試行錯誤をした結果だろうと思います。

ボストン美術館展
ジャン=フランソワ・ミレー「馬鈴薯植え、1861」

気に入った作品はたくさんあるのですが、ひとつだけ選ぶといたら、今回はミレーの『馬鈴薯植え』にしたいです。この作品からは、大地とそこに生きる人々を愛したミレーの歌声が聞こえてきます。

広い農地の中で夫婦でジャガイモを植える。どこにでもある風景だと思います。この時代の農業もけして先駆けたものでなく、貧しい誰にでも出来る労働として位置しています。しかし、大地と人が対話をしながらひとつひとつ作業を行って行かなければ、豊かな実りを得ることは出来ません。

この作品からは、何が大切であるのか、何をすれば良いのかという問いの答えを示しているように思います。現在は環境問題が大きく取り上げられていますが、本当に何をすれば良いのかというところでは、答えは出ていないように思います。もし、本当の答えが知りたいならば、この絵を見れば判るはず、あさぎはそう思っています。

※森アーツセンターギャラリー(2010年4月17日~2010年6月20日)

ベルト・モリゾ ~ マネとモダン・パリ展2010年05月03日 23時18分19秒

大きな企業の新しい美術館の登場には期待が持てます。建物も文化財でありこれからの企画が楽しみです。そして、オープニングになる企画展がマネですから、その力の入れようが伝わってきます。そして、クラッシックな外見の建物も展覧会の一部のように洗練されています。

マネとモダン・パリ

マネは印象派に大きな影響を与えた人物であり、かなりの変わり者だったことが伝えられています。良く言えば時代の反逆児とか、近代絵画の父などと賞賛もたくさんあります。それだけ影響力のある人物であったということでしょう。

展覧会は、マネの人生と変貌をしていくパリを重ね合わせて展開させています。マネの作品以外には、同時代の作家の作品に加え巨大建築の設計図など時代背景が判る配慮がされているところがあり、なかなか好感を持てました。

マネについては、初期のものから晩年に渡る作品を網羅していますが、特にベルト・モリゾに注目した展示が良かったと思います。展示数は多くはありませんが、代表作である『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』など、彼の想い入れが伺える作品に出会えて良かったです。彼が好む黒のドレスが美しいです。

マネとモダン・パリ
エドゥアール・マネ 「横たわるベルト・モリゾの肖像、1873」

マネにはもちろん妻がいましたが、ベルト・モリゾに対する愛情が作品から伝わって来るように思います。『横たわるベルト・モリゾの肖像』は、何気なくポーズをとる構成ですが、『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』よりもはっきりと、見つめられている画家の意識として彼女の表情や瞳に表されるいると思います。

二人が実際にはどのような関係であったかは判りませんが、モリゾは絵の弟子でもあり、マネの弟の妻になり家族として迎え入れていることから、まずまずの良い関係だったのかもしれません。いずれ調べてみたいものです。意外な発見やドラマがあるように思います。

※三菱一号美術館(2010年4月6日~2010年7月25日)

なりきり ~ 森村泰昌 なにものかへのレクイエム2010年05月04日 23時19分25秒

コスプレという言葉は、すっかりと定着しているようです。行為としては誰かのまねをすることですが、その誰かになりきることの方がより重要になっているようです。ある意味、パフォーマンスを通しての自己表現と言っても良いように思います。ただ、森村泰昌はちょっと違いますが…

森村泰昌

テレビの日曜美術館で森村泰昌の特集がありました。ピカソになりきるにあたって、目の表現に注目して何度も写真を撮り直し試行錯誤を繰り返していたのが印象的でした。納得が出来ずに本物のピカソの写真から目を切り抜きそれをまぶたに貼ったりもしていました。

その姿を見て、なりきりという行為から受ける印象とは少し違って、アートとしてまじめに考えいることにあらためて気づきました。だから、アートとて作品が存在するのだと思います。何かいろいろな仕掛けをたくらんでいるようにも思えるところがおもしろいです。

森村泰昌
森村泰昌「創造の劇場/パブロ・ピカソとしての私、2010」

また、現代史における出来事が、作品の背景にあることも興味深いことのひとつだと思います。もちろん、森村泰昌自信の歴史と重ね合わせている部分があるのだとは思いますが、歴史の意味を考えるきっかけを与えてくれます。そして、この先の未来へ、どう向き合っていくかを考えさせられた展覧会でした。

※東京都写真美術館(2010年3月11日~2010年5月9日)

共楽美術館 ~ フランク・ブラングィン展2010年05月05日 17時42分43秒

川崎重工業の初代の社長である松方幸次郎が、アートの世界に導かれるきっかけを与えた人物が、フランク・ブラングィンだったそうです。松方は、造船業を営んでいたこともあって、船に関することにはたいへん関心があったようです。

松方が、最初にブラングィンに興味を持ったのも、彼の船の絵に感動をしたからだと言われています。戦争で得られた莫大な財産を日本のために使いたい。この志が松方コレクションの原点であり、実際に計画が進んでいたことは驚きです。

フランク・ブラングィン

ブラングィンのアドバスを受けながら、西洋絵画を購入して着々と日本初の近代美術館の準備をしていたそうです。共楽美術館という名前で、麻布の現在韓国大使館あたりに建物を造るつもりでいたようです。しかし、再びの戦争により計画は中止に追い込まれます。

さて、今回の展覧会はブラングィンの回顧展になるのですが、ポスターからも判るように色鮮やかな作品を残しています。しかも、かなりコントラストが強くて画面から受ける印象は、一瞬、抽象画のようにも見えるのですが、やがて混沌とした色の中から人物や風景が浮かびあがってきます。

フランク・ブラングィン
フランク・ブラングィン「白鳥、1920」

ブラングィンは画家だけではなく、コレクターや建築家という側面も持っています。マルチクリエイターと言ったところでしょう。松方コレクションの良きアドバイザーであり、共楽美術館の設計も手がけています。歴史にもしはないのでしょうが、当時、彼らの美術館が完成していたら何かが変わっていたかもしれないと思ってしまいます。

※国立西洋美術館(2010年2月23日~2010年5月30日)

二人展に行く ~ non-titolematch展2010年05月08日 22時52分02秒

絵画を発表する場合は、今も昔もギャラリーを利用します。個人でも、団体でも良いそうですが、それなりに費用もかかるようです。あさぎが通っている美術教室には、かなり技術レベルの高い人もいて、たくさんの作品を作成しています。そんな仲間が二人展を開くと聞いて訪ねてみました。

恵比寿ガーデンプレイスの近くにあるギャラリーで、個人宅を改装したような感じのところでした。二人展なので作家は二人います。高橋さんと加藤さんと言って、高橋さんの方が以前美術教室で一緒になった方で、加藤さんとははじめてお会いしました。

non-titolematch

二人ともとても上手い方で、高橋さんは異国を感じさせるような風景(場所は川越らしいです)を中心に展示して、加藤さんが力強い人物やさりげない静物を中心に展示していました。互いの作品が良い効果を与えていていました。ギャラリーなのでライティングが少し気になりましたが…

作品のお話も出来て、とても楽しかったです。次回は、もう少し詳しくレポートしたいと思っています。作品は下のリンク先から見ることが出来ます。あさぎはまだまだ発表などは考えていませんが、良い参考になりました。いろいろご苦労があったと思いますが、本当にお疲れ様でした。

※弘重ギャラリー(2010年4月27日~2010年5月2日)

ポロシャツだ! ~ 丸ビル マルキューブ2010年05月14日 22時10分24秒

東京・丸の内の丸ビルの中にカラフルなポロシャツ(2070枚)が並んでいます。これは、オンワード樫山がオンワード・カラーミュージアム・キャンペーンとして、アートディレクターのジャン・ガブリエル・コースにより仕掛けた印象派絵画のオマージュと言うべきモザイクアートです。

マルキューブ2

この作品を制作するにあって、微妙に色を変えた24色のポロシャツを作ったそうです。ニュースにも取り上げらたことから、ぜひ本物を見たいと思い何とか都合をつけ駆けつけました。わずか6日間(2010年5月11日~2010年5月16日)だけの限定展示だったので…

マルキューブ1


展示されている1階からは近すぎて良くわかないのですが、作品を3階から見下ろすと、あのゴッホの自画像が浮かび上がってきます。正面から見下ろすよりも、やや右寄りの位置から見下ろす方がよりベターな感じがしました。ポロシャツの襟部分が白くなっているので、正面からではそれが見えてしまいぼけた感じになるのです。


今年は印象派の展覧会も花盛りで、世界中に散らばっている印象派の絵画が日本に集まる絶好の一年です。それを歓迎するような企画で、とってもワクワクする楽しい企画です。そして、新たなアートの発信地として名乗りを上げた丸の内を、さらに盛り上げてくれています。


モンマルトルのパリ祭 ~ モーリス・ユトリロ展2010年05月16日 22時32分34秒

損保ジャパンのビルから見える風景も変わって来ました。前回来たときは、まだモード学園のコクーンタワーは出来ておらず、代々木のNTTドコモのビルが見えましたが、もう見ることはできません。ちょっと視界が狭くなったようで残念です。

ユトリロ

さて、パリを愛した男の作品にまた逢うことが出来ました。ポスターの告知によると全作品が日本初公開となるとのことです。ずいぶんたくさん作品があるのものだなと思ってしまいます。たしかに、ユトリロは絵を描くことだけに生きた時期もあったと思いますが…

画家としての評価は、アルコール依存の頃の「白の時代」の作品の方が高いようです。しかし、その後の「色彩の時代」は、それまでの暗さを一掃して、鮮やかなパリの街で好感が持てます。

ユトリロは、好んで同じ風景や場所を何度も描いています。パリの街角、教会、居酒屋(ラパン・アジルやムーラン・ド・ラ・ギャレット)など…。今回、その中でも珍しい風景があり驚きました。それは、パリ祭の風景で、『モンマルトルのパリ祭』との題名が付いていました。

ユトリロ
モーリス・ユトリロ「モンマルトルのパリ祭、1948」

パリ祭と言えば、クロード・モネの作品が鮮やかで印象に残っていますが、ユトリロのパリ祭もなかなかすてきです。小さなスケッチブック(F4)ほどの大きさですが、フランス国旗がたなびき人物も描かれています。もし、他の画家の作品と一緒にあったら、これが彼の作品とすぐには判らないと思います。

にぎやかで楽しいパリ祭に、ユトリロも大いに盛り上がり、その様子を残したのだろうと思います。展覧会のサブタイトルに孤独な画家とありますが、この絵からはそのような感じは全くありません。たぶん、この頃のユトリロは結婚もして、母ヴァラドンの束縛から解放されていたのだと思います。

人生は長いですから、いろいろなことがあると思います。ユトリロもまた同じように苦労したり、悩んだり、笑ったり、穏やかだったこともあったと思います。また少し、偉大な画家の人生を覗くことがでたことは、本当に良かったと思います。

※損保ジャパン東郷青児美術館(2010年4月17日~2010年7月4日)

何か来た! ~ ツェッペリンNT2010年05月23日 23時25分31秒

みなとみらいから港を眺めていると、ふわふわとしたものが頭上にやって来ました。どうやら飛行船のようです。この日はちょっと風が強かったようで、ふらふらとベイブリッジに近づき向きを変えて去っていきました。

どうやら日本飛行船のツェペリンNTという飛行船だったようです。横浜の遊覧飛行のコースがあり、その途中らしいことが判りました。ちなみにフライトは、90分で126,000円(東京・横浜)と40分で63,000円(東京のみ)のコースがあるようです。

ツェペリンNT

お財布に余裕が必要ですが、ゆったりとした空の旅も楽しいと思います。ヘリコプターに比べたらとっても静がですし、下から眺めるだけでも優雅で楽しいです。いつか乗ってみたいものですね…

せっかくなので、近づいてきたツェペリンNTのフォトを追加しました。(2010年5月25日)

ツェペリンNT


哲学的な問いかけ ~ 建築はどこにあるの?2010年05月27日 23時29分49秒

建築家の展覧会は、独特な雰囲気があり見逃したくないものです。東京オペラシティなどでは、建築の作品を扱った企画を良くやっていますが、、東京国立近代美術館ではなかなか無い企画だと思います。どのようなものになるのか、とても楽しみで早速出かけてみました。

建築はどこにあるの?

日本を代表する7組の建築家が、インスタレーションを用いて建築を表現するとのことです。伊東豊雄、鈴木了二、内藤廣、アトリエ・ワン、菊地宏、中村竜治、中山英之…このメンバーが、「建築とは何なのか?」を問いかける仕掛けです。哲学的な問いかけですが、まず作品を楽しむことにします。

最近の傾向として、インスタレーションの展覧会では、一定の条件を満たせばカメラ撮影を認めことが増えてきました。とても良い傾向であり、ルールを守りながら新しい鑑賞のスタイルを作って行きたいと思います。さまざまな見方が、さまざまな発見を導いてくれます。誰かに、こう見るべきと押し付けられるのはお断りです。

建築はどこにあるの?

美術館の入口、ミュージアムショップの横には、アトリエ・ワンの「まちあわせ」という作品があります。竹をメインに使用して動物の形にしています。動物の下にベンチを設置してあり、そこから作品を見ることもできます。子供に気に入ってもらえそうな、唯一の屋外作品です。

竹という素材は、とてもしなやかです。日用品などにも使用されることから安心感があり、竹が組み上げられていることから家を想像することが出来るのような気がします。高く大きくなっても圧迫感を感じないのは、竹と人の良い関係があるからだと思います。

建築はどこにあるの?

館内に入りるとすぐに、中村竜治の「とうもろこし畑」が行く手を塞ぎます。この作品は、理科の授業で使った分子模型を巨大にしたよう感じで、物質の中にトリップしたようにも思えます。ひとつひとつは小さく規則正しい格子ですが、それが果てしなく続き積み上げられています。

いろいろな角度から眺めていると、古めのSF映画を見ているような、現在とは違う近未来の世界にいるような感覚になってくるのがおもしろいです。素材は、バルカイナイストドファイバーという紙とのことですが、とても堅そうにみえました(良く判りませんがカラス繊維が含まれているのかも…)。

建築はどこにあるの?

隣に中山英之の「草原の大きな扉」という作品があります。電話ボックスぐらい木の株に扉がつき、その中は白く塗られ小さな家具(椅子や机)があります。周辺にも同じような家具が配置されています。作品の相乗効果だと思いますが、突然、体が大きくなったような錯覚になるのが楽しいです。

建築はどこにあるの?

目を奥に向けると、鈴木了二の「物質試行51 DUBHOUSE」という、人の進入を拒絶した家をみることができます。実際の家と同じような大きさで出来ていますが、とても窮屈な感じがします。横に引き延ばされて、上からつぶされた…居心地は最悪となるでしょう。何のための作られているのか? 何ものなのか? この展覧会のテーマそのもののようです。

建築はどこにあるの?

次の作品は、入口に暗幕があり中が暗いことが伺えます。内藤廣の「赤縞」は、広いスペースに天井から赤色レーザーを使って、赤い光の縞を作ります。人や物が移動していくと、赤い光の縞がワイヤーフレームのような見え方をしてきます。コンピュータ画像の中に入ったような感覚でしょうか。

ただレーザー光が照射されているだけで、そこに何もなければ静を感じることができます。しかし、そこに移動していき自分や誰かの姿を見つけると空間が現れ激しい動を感じることができます。

建築はどこにあるの?

暗闇を抜けると菊池宏の光と影の世界「ある部屋の一日」に切り替わります。朝、日が昇ると辺りが明るくなります。太陽が移動することで、影は向きと形を変化させます。そして、夕方になると日が沈み、次の朝へと移り変わっていきます。

作品は、中心に建築模型をおいて周りを太陽の代わりをする光源が廻るものと、スクリーンに窓の日差しを思わせるビデオ映像の2つから構成されていました。外から見た風景と中から見た風景をイメージしてるのかもしれません。少しノスタルジックな感じのする作品です。

建築はどこにあるの?

最後は、伊東豊雄の「うちのうちのうち」です。フラクタルのようにどこを切り取ってみても同じ形をしています。ひとつひとつが家ならば、どこをみても家が存在することになります。無限に小さく、無限に大きく広がっていくのです。…何だか宇宙につながっているのかもしれないと思ってしまいます。

さて、どの作品も展覧会のテーマである「建築はどこにあるの?」を上手く表現しています。ここにあるような気がする…これは何だろうと、いろいろ考えながら作品に触れていくのは楽しいです。また、現実的な建築である美術館の中で、現実にはあり得ない建築を体験することはとても貴重です。

展覧会のテーマの答えは、ひとりひとり違うものになると思います。そして、展覧会で紹介された作品の一部は、既にどこかで建築の一部として実現されていると思うと、やはり実際に会ってみたい衝動が湧いてきます。だから、建築はおもしろいのだと思うこの頃です。

※東京国立近代美術館(2010年4月29日~2010年8月8日)