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木の香り ~ 友永詔三の世界「木彫の乙女たち」2010年07月27日 22時43分58秒

妖しい雰囲気を持つ乙女たちが迎えてくれました。作者の友永詔三(1944~)は、NHKの人形劇「プリンプリン物語」のキャラクターを作成していた造形家です。「プリンプリン物語」は、主役のプリンセス・プリンプリン以外は、あまり可愛くないキャラクターがたくさん出てくるお話だったと思います。

友永詔三

たまたまですが、展覧会場に友永氏本人が来ていて、知り合いと話をしている場面に遭遇しました。聞こえてくる話によると、見るからに細身の乙女たちは、現在の女性の体型とあまり変わりがないとのことでした。手足は少し長めだけど、背伸びをしている姿なのですらっと見えるとのことでした。

そのような情報をインプットしながら、さらに作品を観ていきました。大きさはさまざまですが、木の暖かさとすべすべの肌の滑らかさは、とてもセクシーでありエロスを感じることが出来ます。思ったよりも体の凹凸がしっかりしていて、正面からよりもお尻の見える背中からの方がより女性らしい姿だと思います。

見方によっては観音像のようでもあり、日本の伝統美を受け継いでいるようです。また、宙を舞うバリエーションは、羽衣伝説をイメージでき過去と現在が混じり合っているかのようです。そして、僅かですが作品から木の香りがしていて、とても心地が良い展示空間となっています。

※ニューオータニ美術館(2010年7月24日~2010年10月11日)

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