Asagi's Art News





良い人 ~ ヤジマキミオ発泡スチロール巨大動物アート展2011年11月29日 23時07分49秒

朝日新聞の地方面に紹介されていた展覧会だったのですが、発泡スチロールという素材や作品のその大きさから実物を見なければと思い、立川の昭和記念公園まで出かけました。秋も深まって来ていて公園の木々の色も鮮やかに染まっていました。

昭和記念公園は、戦前には旧陸軍が、戦後には在日米軍が使用した立川基地の一部で、広さは180haもあります。昭和天皇の在位50周年を記念して整備され、昭和天皇の死去にともない永眠の地になるなど、静かで自然にあふれるもうひとつの東京と言えます。

ヤジマキミオ

展覧会は、公園内の花みどり文化センターという場所で行われていました。しかし、作品は野外にも展示されいて、そのひょうきんな表情の作品たちが、かなり遠くからも確認することができました。

最初に出迎えてくれたのは、新聞にも掲載されていたカエルです。色鮮やかで、かなりの迫力があります。発泡スチロールは、予想通りに暖かな感じがあり、壊れやすいという弱点を除けば、とてもおもしろい素材と言えます。

ヤジマキミオ

会場の中の作品もとても大きいのですが、不思議に圧迫感がないように感じました。それは、経験から使われている素材が軽いため、倒れてきたとしても怪我などをしないという安心感からなのかもしれません。

愛らしい動物たちに子供たちが興味津々のようすで、会場にいたヤジマキミオ(1955-)氏も忙しいそうに対応していました。子供たちに素材を触らせたり、作品と一緒に写真を撮ってあげたり、いろいろサービスをしていました。とても良い人のようで、それは作品に中にもにじみ出ていると思いました。

ヤジマキミオ

ヤジマキミオ

直接はお話しを聞いていませんが、プロフィールによるとアーティストに転身する前は、公務員という堅い仕事をしていたそうです。しかし、もともと絵が好きだったようだったのですが、親の反対もあり美術の道から遠のいていたようです。…やっぱり良い人のようです。

1990年に浅草サンバカーニバルで、「アレゴリア」と呼ばれている山車(だし)の制作を担当することになり、そこで出会った発泡スチロールを使った装飾をヒントに現在の作成に発展させたと言います。いくつかの展覧会を重ねるうち、2009年に公務員を辞めアーティストしてスタートするこを決心したとのことです。

ヤジマキミオ

どうしても創りたいという気持ちが、人を動かすのだと思います。安定した職業を辞めてまでやらなければならないことがある。それが、美の世界なのかもしれません。どの時代にも必ず現れる、そういう人たち…愛すべき人たちだと思います。

※国立昭和記念公園(2011年11月16日~2011年11月27日)

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