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真珠の耳飾りの少女 ~ マウリッツハイム美術館展2012年07月12日 23時57分40秒

約2年間の改装工事が完了して、東京都美術館が戻って来ました。すでに公募展の開催は行っていますが、企画展は「マウリッツハイム美術館展」が本格的な再開となります。バリアフリー化にともなって、エスカレータが設置されています。

マウリッツハイム美術館展

そして、おそらく本年最大の入場者数を記録する期待のある「マウリッツハイム美術館展」では、フェルメール(1632-1675)の作品の中でも最も人気がある『真珠の耳飾りの少女』を召喚…六本木の新美術館への反撃が開始されました。

『真珠の耳飾りの少女』は、主催の朝日新聞をはじめマスコミでも大きく取り上げられています。その効果は、かなりのもので平日にも関わらず、入場制限がかかり約60分も列に並ぶことになりました。しかも、『真珠の耳飾りの少女』を見る直前にも列を作っていたりして…

展覧会は、作品数こそ少ないもののフェルメール以外にも豪華な作品が来ています。レンブラント(1606-1669)は、自画像など黒が引き立つ傑作が数点あり、笑顔の画家と言われるフランス・ハルス(1581-1666)の『笑う少年』はとってもすてきです。

しかし、今回の主役は『真珠の耳飾りの少女』であることを譲ることはできません。作品に描かれている少女が誰なのか、映画にもなったりしましたが謎のままです。以前、テレビ東京の「美の巨人たち」では、グイド・レーニ(1575-1642)の『ベアトリーチェ・チェンチの肖像』のオマージュであるとの推理もありました。

マウリッツハイム美術館展
ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女、1665」

たくさんの話題を提供してくる彼女ですが、やはり直接会ってみるとその魅力は想像以上のものがあるようです。スポットライトで浮かび上がるような展示をしているためか、周りにたくさんの人がいても自分ひとりだけを見つめてくれているように感じます。

細かい表情を観察するには、オペラグラスなどを用意すると良いと思いますが、その雰囲気に包まれるだけで、長い列にならんでも会いに来て良かったと思わせてくれます。フェルメールマジックの最高傑作と言っても良いかもしれません。

それから、グッズ売り場も盛況で定番のポストカードをはじめ、オランダと言うことでディック・ブルーナ(1927- )の『ミッフィーちゃん』とコラボした人形が良く売れていました。青いターバンのミッフィーちゃんはかなり可愛いです。

また、休憩室にあたるところに女優の武井咲さんが広告用のポスター撮影に使った衣装が展示さていて、『真珠の耳飾りの少女』のモデルへの想いを形しているように思いました。そうです…たくさんの人がフェルメールとそのモデルに想いを寄せているのです。

マウリッツハイム美術館展

※東京都美術館(2012年6月30日~2012年9月17日)