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深い神秘の森 ~ バーン=ジョーンズ展 -装飾と象徴-2012年08月06日 22時58分22秒

バーン=ジョーンズ(1833-1898)の作品は同じイギリスのロセッティ(1828-1882)に似ている印象があります。それは、ジョーンズがロセッティのもとで絵を学んでいたことがあるからだと思いますが、ラファエロ前派の思想やウィリアム・モリス(1834-1896)が提唱したアーツ・アンド・クラフツ運動によるものであるように思います。

バーン=ジョーンズ

しかし、彼の独特の画風が確立したのは、美術評論家であるジョン・ラスキン(1819-1900)たちとのイタリア旅行に依るものが大きいと言われています。マンテーニャ(1431-1506)、ボッティチェリ(1445-1510)、ミケランジェロ(1475-1564)の影響を受けたと言われているようです。

その時々で良い出会いがあったようで、それが作品に生かされているように思います。ロセッティが彼のことを「『夢の国』に住む一番素敵な若者の一人」 と称していることもうなずけます。

展覧会は、日本初の個展ということもあり、油彩画、水彩画、素描、タペストリなど、意欲的にさまざまな作品を紹介してくれています。また、三菱一号美術館という難しい空間を上手く利用した展示には、キュレーターのセンスが光っています。

バーン=ジョーンズ
エドワード・バーン=ジョーンズ「眠り姫、1872」

そして、いちばんの作品は、代表作でもある『「眠り姫』であり、まさに夢の国にいざなってくれます。誰でも知っている物語ですが、本来の世界感はこのようなものなのかと感じさせてくれます。イギリスの深い神秘の森に迷い込んだ感じです。

ハリー・ポッターなど映画によって、近代のイギリスのイメージが変わっていたのですが、やはり、この作品からも一新されたイギリスのイメージがより深くなった感じです。オリンピック中継に映るロンドンは都会ですが、ちょっと離れた郊外には、まだ神秘の森が広がっているのでしょうか…

※三菱一号美術館(2012年6月23日~2012年8月19日)

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_ KATHURA WEST・・・Art-Mill - 2012年09月14日 18時17分18秒


《美かえる》が迎えてくれました。
バーン=ジョーンズ展-英国19世紀末に咲いた華-
兵庫県立美術館

注目の作品はこの3点。
中でも、《ラファエル前派》の影響を一番うけていると思うのが《眠り姫》。
女性たちのとろけるような表情はとても清楚です。全体をグリーン系でまとめ《静けさ》を演出。《静謐感漂う耽美主義》がバーン=ジョーンズの最大の魅力.

制作に向けて、ドローイングの習作がたくさん展示されています。ルネッサンス期のミケランジェロのようなデッサンが見受けられますが、彼の資質は、《ボッティチェルリの繊細さ》に通じるような気がします。描く世界はどの絵も《処女的世界》。 ...