Asagi's Art News





再び高輪へ ~ 古典絵画技法を学ぶ会 第10回 作品展2012年10月03日 23時28分46秒

昨年に引き続き「古典絵画技法を学ぶ会」の作品展にお邪魔しました。会場も昨年と同じ、港区の高輪コミュニティーぷらざです。この高輪コミュニティーぷらざは、高輪図書館なども併設された港区の総合施設で、駅からのアクセスも良い場所にあります。

古典絵画技法を学ぶ会

この「古典絵画技法を学ぶ会」には、あさぎと同じデッサン教室で一緒に勉強している小栗さんという女性が属していて、とても精力的に作品を作成しています。ときどき作成中の作品を見せてもらうのですが、とてもすてきな感性を持っている方です。

特に人物の描写が丁寧で、家族を描いた作品など、とても愛情深く良い表情の作品になっています。小栗さんからは技術的に写真を使っているとか、作成行程でのこだわりなどをいろいろ教えてもらえて、とても楽しく良くして頂いています。

古典絵画技法を学ぶ会

この作品は彼女の母を描いたもので、親子ですが雰囲気がとても本人に似ています。とても良い作品で、あさぎもこのような作品が大好きです。もちろん、その他の人たちの作品も技術的にレベルが高く、古典の模写など良く研究がされて参考になります。ぜひ来年もお邪魔できた良いと思っています。

古典絵画技法を学ぶ会

※高輪コミュニティーぷらざ2Fギャラリー(2012年9月28日~2012年9月30日)

『金魚』 ~ 色浴ノ秋(しょくよくのあき)2012年10月08日 15時31分10秒

この日は大きな企画展もないため、訪れる人も少なくまさに居心地の良い空間です。そんな中であの『金魚』に出会えることは、なかなか幸運です。テレビの情報番組などで取り上げられた深堀隆介さん(1973-)の『金魚』は、生きているかのように緻密に描かれ話題になり、いちど本物の作品に出会いたいと思っていました。

深堀隆介

いつものように美術情報サイトを眺めていると、国立新美術館にあるSTE GALLRYで、彼の個展があることを見つけました。『色欲の秋』と題して、小さなお椀の中で優雅に泳ぐ金魚は実に魅力的です。STE GALLRYは、話題のアーティストや美術館の企画展に関連する作品で構成して、美術館に来る人たちに気軽に購入してもらうコンセプトのようです。

彼の作品は10数点ありましたが、お椀や升などに『金魚』が1匹描かれた可愛いものがメインでした。残念ながらテレビなどで紹介された大きな桶の作品に出会うことは出来ませんでした。しかし、泳ぐ姿はとても緻密で本物のようです。『金魚』は、アクリル樹脂の上に描かれているのですが、立体に見えるように部分ごとに層(レイヤ)に分けて重ねているようです。

アイデアと技術と表現力の調和が、作品の魅力になっているのだと思います。また日本の伝統美を現代美術として再構成することが、新しい日本の美の発見につながるようにも感じられます。これからの作品への期待がどんどん増していくよう思います。

※SFT GALLERY(2012年9月19日~2012年10月22日)

赤い積みわら ~ シャルダン展 静寂の巨匠2012年10月14日 17時29分32秒

ロココ時代の画家であるジャン・シメオン・シャルダン(1699-1779)は、時代の優雅で享受的な画風とは異なり、オランダの風俗画に影響を受け穏やかなで慎ましい人々の生活や静物を主題としていたようです。その作品は、歴史画の権威を振るう時代でも高く評価されていました。

シャルダン

ところが、シャルダンの作品は、フェルメール(1632-1675)の作品と同じように芸術アカデミーなどの風俗画に対する軽視の姿勢から歴史に埋もれてしまいます。そして、19世紀になり批評家のトレ=ビュルガー(1807-1869)らが、再評価を行うことで再び光を取り戻すのです。

日本でのシャルダンの作品は、フェルメールの作品のように広く知られてはいませんが、フランスではとても人気のある画家であると聞いています。あさぎも名前は知っていましたが、作品の知識はほとんどありませんでした。

展覧会は、初期の静物画からはじまります。残念ながら芸術アカデミーの正会員となるきっかけになった『赤エイ』はありませんが、食材や調理器具を描いた作品はいくつか来ています。

風俗画は、デッサンや習作をまじえて展示することで、その作成の過程などを推測出来るようになっています。また、当時流行っていた対となる作品の展示もいくつか試みていて、モティーフや画面構成、色彩などの違いを楽しむことが出来ます。

さて、この展覧会で印象に残った作品は、やはり展覧会のポスターにもなっていた『木いちごの籠』です。キッチンの机の上に山盛りなった木いちごの赤色の鮮やかさに驚かされる感じです。そして、想像してしまいました・・・

シャルダン
ジャン・シメオン・シャルダン「木いちごの籠、1760」

描かれているものは異なりますが、その安定した三角形は、モネ(1840-1926)の「積みわら」の原形であるようには思えてきました。これは「赤い積みわら」なのです。きっと、モネもこの絵を見たに違いないと思うと、美しい光景が長い時間をかけて伝承されていくロマンを感じます。

※三菱一号館美術館(2012年9月8日~2013年1月6日)

新名所 ~ 東京駅2012年10月21日 21時16分04秒

2012年10月、東京駅(丸の内駅舎)の復元工事が完了しました。東京の新名所としてテレビなどでも盛んに取り上げらていましたが、実物はやっぱり良いものです。何となく電車で旅に出てみたい気持ちにさせてくれます。

東京駅1

ライトアップには、三菱電機製のLED照明が採用されているそうです。照明デザイナーは、面出薫(めんでかおる)さん(1950-)で東京国際フォーラムやJR京都駅などのライトアップも手がけているそうです。瓦の壁はもちろんのこと、窓明かりにもポイントがあるとのことです。

東京駅2