Asagi's Art News





岩合光昭写真展 ~ねこ~2013年08月11日 23時40分59秒

動物写真家としては、誰もが知るところとなった岩合光昭(1950-)さんですが、その作品のでも人気シリーズと言えば、ねこたちの写真ではないでしょうか。人間の世界に入り込み、人間を手玉にとりながら生活をしているねこたちは、愛らしい以上にほっとおけない存在です。

ねこ

岩合さんは、ねこの写真を撮るためにねこと一緒に暮らすこと決意したそうです。彼は、一緒に暮らした「海」というねこから、いろいろなことを教えてもらったそうです。それが、彼が撮る動物写真に活きているのでしょう。

はじめは単純に可愛いと思うかもしれませんが、本来の野生を発見したり、人間との関係が見えてくると、より楽しく思えてきます。そして、厳しい現実をしたたかに生き抜いている姿が浮かび上がってとき、何か勇気をもらったような気になるのです。

※ShibuyaHikarie(2013年8月1日~2013年8月25日)

宇宙から見たオーロラ展 20132013年01月29日 22時39分42秒

まだ、特別な人にしか見ることが許されていない、美しい光景があります。それは、宇宙から見る地球の姿です。しかし、たくさんの人たちは、その美しい光景を知っています。なぜならば、憧れの宇宙飛行士たちが、感動して捉えた写真や映像を持って帰ってきてくれるからです。

オーロラ

本展覧会では、宇宙からの光景でも特にオーロラに注目しています。さ作品となった写真や映像は、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士である星出彰彦さん(1968-)と古川聡さん(1964-)が、ISS(国際宇宙ステーション)から撮影したものです。もちろん、彼らは芸術家ではありませんが、同じ日本人としての美意識を共有していることがポイントです。

暗黒の宇宙空間にリングのように輝くオーロラは、テレビなどで紹介されていたので、知識としてありました。なので、ある程度の想像ができたので、期待という点では大きいものではなかったと思います。しかし、作品としてプリントした写真やプロジェクタを使った映像は、なかなか吸い込まれる感じがして、想像以上にすばらしいものでした。

オーロラ

地上が見える場面では、ここで暮らしているのに・・・気がつかないことがたくさんあるのだと思ったりもしました。地上のあるものだけが、美しいもののすべてはないと、実感する良い機会になったと思います。そして、まだ宇宙飛行士すら見たことない宇宙には、どんな美しい光景が広がっているのか、夢はさらに大きく広がっていきます。

※コニカミノルタプラザ(2013年1月7日~2013年1月31日)

メッセージ ~ 篠山紀信展 写真力2012年11月03日 22時20分22秒

篠山紀信(1940ー)さんのはじめての展覧会とのことで、事前のインビューなどからは、新しい試みを楽しむような印象を受けました。商業写真の世界で活躍することで時代の象徴となり、その先に来るものの道しるべとして、大衆文化を支えてきたと思います。

展覧会を新しい挑戦としているところが、彼の先駆者としての誇りなのかもしれません。日本大学の芸術学部在籍中から、写真家として活動が知られるようになり、多くの写真賞を受賞しました。そして、著名人のポートレイトが、話題になることも多々ありました。

篠山紀信

さて、今回の展覧会ですが、作品を引き延ばしたとても大きな作品を数多く展示していることに驚きました。技術的に進歩をしていると思いますが、いままで見て来た写真集とはまったく異なった印象を受けるような気がします。

最初の展示では、既に亡くなってしまったスターのポートレートを配置しており、懐かしさと時代のスターであったことを改めて感じることができます。次の展示では、現在も活躍している新旧のスターを取り上げています。さらに、ディズニーランドで働く人たち、歌舞伎役者、ヌードと活躍の幅の広さを伺うことが出来ます。

最後の展示は、昨年の東日本大震災にあった被災者のポートレイトで綴り締めくくっています。破壊された故郷に生き残り、復興を目指す人間の強さが、笑顔で写真に収まっています。無言のメッセージは心に響くものがあると思います。

※東京オペラシティ アートギャラリー(2012年10月3日~2012年12月24日)