Asagi's Art News





宝石よりもガラス ~ ルネ・ラリック展2009年09月07日 00時18分58秒

ルネ・ラリックの作品としてすぐに思い出すのは、庭園美術館(旧朝香宮邸)にあるガラスのレリーフです。正面玄関をさりげなく置かれいますが、とても美しくお洒落な感じがします。アール・デコと呼ばれる様式は、工業的な印象もありモダンな感じをいつも受けます。作品数もたくさんあるようですし、コレクションとして楽しいものだと思います。

ルネ・ラリック展

もともとラリックは、ジュエリーのデザイナーとして出発しているようでした。アール・ヌーボーを意識しているところが伺えます。ただ、時代的に職人から工業生産に移り変わる時期だったこともあり、影響を受けている程度のものだと思います。

やはり、彼の作品は高級な宝石よりもガラスを使ったもの方が魅力的です。香水瓶のような小さな作品、さまざまな形の壺、おもしろいところではカーマスコットという車の飾り。もちろん、料理を引き立てる食器もあります。

工場で大量に生産されることで多くの人が持つことができます。しかし、一部の人からは貴重性に欠けることから批判を受けたようですが、そんな話はたいしたことはありません。彼の作品を愛した人たちは、当時もいまもたくさんいます。それが、評価だと思います。

※ルネ・ラリック展