Asagi's Art News





弘前市・歴史的建造物2019年08月16日 16時45分57秒

<岩木山>
弘前


<旧弘前市立図書館>
弘前

弘前


<青森銀行記念館>
弘前


<日本基督教団弘前教会>
弘前

弘前


<カトリック弘前教会>
弘前

弘前
更新:2021.5.2

※旧弘前市立図書館
※青森銀行記念館
※日本基督教団弘前教会
※カトリック弘前教会

都市を変える ~ メタボリズムの未来都市展2012年01月21日 22時10分27秒

昭和に建てられた特徴ある建築が次々に壊されています。たぶん改められた耐震基準のクリアや経営的な維持が、難しくなってしまったからだと思います。もちろん、平成時代の新しい建物も次々の登場しますが、展覧会に出てくるメタボリズムの建築に比べるとインパクト的にいまひとつだったりします。

メタボリズム

建築をテーマにした展覧会は、どうしても設計図面や模型が中心になしまいます。それでも、伝えたいことは判りますし、知っていればその美しさを想像できるので良いと考えています。たぶん、多くのキュレーターにとっても難しい企画のひとつなのでしょう。

ただ、かつて東京国立近代美術館の「建築はどこにあるの?」のような、建築とインスタレーションを組み合わせるような斬新さも必要であるように思ったりもします。確かに歴史的背景がある場合には、そう簡単にはいかないと思いますが…

さて、肝心の展覧会の内容ですが、やはりオーソドックスな建築展の手法でまとめていました。高度成長期を背景として、建物だけでなく都市を設計するという壮大な計画を設計図や模型の他にCG映像などを使い紹介していて、良くまとまっていると思います。

丹下健三(1913-2005)の次の世代である黒川紀章(1934-2007)や菊竹清訓(1928-2011)などの活躍は、飛躍する日本の象徴だったのかもしれません。例えば、東京湾を埋め立て新しい都市空間を作るなど、実現不可能と思われる計画を次々に発表しました。

ところが、残念なことにメタボリズムの建築は、大阪万国博覧会を境に衰退してしまいます。もちろん、これは高度成長の時代の終わりであり、オイルショックをはじめとするマイナス成長に変わったことが原因です。

巨額の建設費を捻出するには、経済力が底辺にあり、どこよりも人、物、金が多く集まることが条件になります。したがって、現在のような日本の経済状況と世界的なマネーゲームの中では、かつての都市を計画など夢なのかもしれません。

しかし、環境問題、人口問題、食糧問題など、すでに後戻り出来ないところまで来ているのです。もしかしら、都市を変えることが、そのような問題を解決する切り札になるのかもと、ひそかに思っていたりします。

※森美術館(2011年9月17日~2012年1月15日)

都市の創造 ~ ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ2010年11月01日 23時27分00秒

いま東京では、高度経済成長期に建設された建物が消えています。理由のひとつは耐震基準の見直しなのでしょうが、それにともなう改修費用や改修中の維持管理などお金に絡む問題なんだと思っています。

東京オリンピックをきっかけにして、多種多様なデザインの現代建築が登場しました。そして、ようやく人が暮らす風景に溶け込みはじめた感じがあるだけにとても残念だと思います。しかし、新たに生み出される建築もまたたくさんあるのも事実です。

ドミニク・ペロー

ドミニク・ペロー(1953-)は、新しい街や都市を造っていく建築家のひとりです。フランスを拠点にして仕事をしてきたようですが、若くして才能を認められた有望な人材です。今回の展覧会では、彼の過去の作品を振り返りつつ、これからの展望を示しています。

展示は、大きく分けて2つから構成されています。前半は過去のプロジェクトをつなぎ合わせたビデオインスタレーションです。部屋を金属チェーンでできたカーテンで仕切り、映像も視線を高くして見上げるように設定しています。

金属チェーンで空間を作ることが、彼の表現方法のひとつで見る角度や光の強弱で建物と空間をなじませる効果があるようです。そして、金属チェーンで建物を包み込むことは、不思議に暖かみを生み出すのです。柔らかく変化する形状が、金属の冷たさを打ち消しているのだと思います。

後半はグランドイメージを形にした模型と設計図面などで構成されます。また、施工中のプロジェクトやコンペ作品の展示もあります。実物ではありませんが、とてもダイナミックな作品ばかりです。本物の風景にどのように溶け込んでいるか、想像すると楽しくなってきます。

ペローが注目を集めるきっかけとなったのが、89年のフランス図書館の設計だったそうです。フランスの建築界でも異例の若さでの大抜擢だったようです。彼の作品は、日本でも見ることが出来るようで、新潟の越後妻有アートトリエンナーレに出展した「能舞台」や来年竣工される「大阪富国生命ビル」などがそうです。

「ランドスケープ」と言うキーワードが、展覧会に使用されています。この言葉は、文化、地形、歴史などあらゆる要素によって構成される都市そのものを指すと解説にありました。確かに、彼の作品からは、建物を造るのではなく都市を造ることを意味しているように思いました。人の暮らしを建築で造る…それが、都市の創造につながってくることなのだと思います。

※東京オペラシティアートギャラリー(2010年10月23日~2010年12月26日)