Asagi's Art News





魅惑の女神 ~ ウルビーノのヴィーナス2008年03月13日 00時13分44秒

月末頃にはいよいよ桜のお花見ができそうです。毎年上野公園に桜を見に来ますが、いままだ準備中という感じです。それでも、気の早い大寒桜は花を咲かせていて、たくさんの人が写真におさめていました。

今日は、久しぶりの西洋美術館です。テレビの美の巨人たちで知ったビーナスに会いにきました。『ウルビーノのヴィーナス』は、巨匠ティツィアーノの傑作のひとつと言われています。どのビーナスより怪しい眼差しをした魅惑の女神です。

西洋美術館

展覧会では、もちろん他のビーナス達も美しく、古代、ルネサンス、バロックとその時代の女神達が集結しています。しかし、どうしても『ウルビーノのヴィーナス』だけは、飛びぬけて妖しい感じがします。いろいろと解説はされていますが、間違いなく挑発しています。

気になるのはそれが誰なのかということです。この絵の注文主でしょうか、それとも画家であるティツィアーノにでしょうか・・・ティツィアーノは画家の王と呼ばれるぐらい権力を持つ人物です。だから、注文主に媚を売ったりすることはないと思います。

例え気に入ったモデルであっても、モデルのためなどあり得ません。やはり、いつかこの絵を見るものに対しての誘惑であり挑発なのでしょう。彼は自分の仕事が国を越え、時を越えること知っていた。この視線を受けたものが何を感じるか、遠い過去からうかがっているように思います。

※ウルビーノのヴィーナス