Asagi's Art News





予感する風景 ~ モーリス・ド・ヴラマンク展2008年05月22日 20時50分11秒

損保ジャパンのビルも西新宿ではかなり古くなり見下ろす風景も変わってきました。ブラマンクは野獣派としてしられ作品から受けるイメージは激しく荒々しいものなのです。しかし、どうしたことか美術館が選んだイメージはピンク・・・看板の背景になぜその色を選んだのでしょう?

ヴラマンク

ヴラマンクの作品には、激しいし雨がやってくる前の緊張感のような感じます。荒いタッチもそうですが、コントラストが強いためなのなのかもしれません。何かが起きる前ぶれを誰にでも伝えるような意図があるのではと思います。

ヴラマンク
モーリス・ド・ヴラマンク「白いアネモネの花束、1922」

構図的には特別変わった感じは受けないのですが、例えは、花瓶に咲く花を描いても、その緊張感があふれ出しています。花びらや葉が個々に主張するのは、単にコントラストが強いというだけでは説明がつきかないように思います。

ヴラマンク
モーリス・ド・ヴラマンク「雷雨の日の収穫、1950」

作品の中には、なにかを予感するものが隠れているようです。得意な風景画では、それはストレートに表現されいます。描かれる空は、常に嵐を予感させるように重く、鋭い線に通り過ぎて行く風を感じます。もちろん、穏やかな日の作品もありますが、彼は予感する風景を好んでいるのです。

野獣派の定義は、いろいろとあると思います。学術的にはどうか判りませんが、この予感と言うのがキーワードになっているように思います。期待する未来は、あまり楽観的なものではありません。厳しい未来に対してどのように立ち向かうのか・・・画家は問いかけているのかもしれません。

ヴラマンク
※損保ジャパン東郷青児美術館