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歴史を背負って戦う画家たち ~ マッキアイオーリ展2010年02月26日 00時31分20秒

マッキアイオーリは、イタリア語の「マッキア(斑点)」から発生しているとのことです。そして、アカデミズムからの脱却を目指した若いイタリアの画家たちのことをマッキアイオーリと呼んでいます。

マッキアイオーリ

印象派とのサブタイルのように、作品からは本家の印象派と同じように光への追求が感じられます。そして、新しいことへ挑戦していく勢いのある力強さも感じることができます。風景に溶け込む光は、伝統的な技法からは、表現できなかったイタリアの強い日差しを見事に捕らえてるようです。

テーマとすることも日常の一場面に注目していているようです。身近にいる人たちや普段目にする風景を精力的に描いています。神話や宗教といった古くからの伝統とは別に、伝えるべきもの、残すべきものを探っているように思います。

例えば、アドルフォ・トンマージの『田園詩(逢潮)』とい作品ですが、ある男女の密会を描いたものです。何時の時代にもあったことですが、このようなスキャンダラスなテーマをダイレクトに表現することはあまりなかったようにも思います。

マッキアイオーリ
アドルフォ・トンマージ「田園詩(逢潮)、1884」

伝統的なイタリアの芸術が多くの画家に影響を与えいるのも事実ですが。しかし、そのイタリアで活動する画家たちも多くの試行錯誤していたことはひとつの発見となりました。偉大な歴史を背負って戦う画家たちにもっと光があたることを望んでいます。

※東京都庭園美術館(2010年1月16日~2010年3月14日)

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