Asagi's Art News





『金魚』 ~ 色浴ノ秋(しょくよくのあき)2012年10月08日 15時31分10秒

この日は大きな企画展もないため、訪れる人も少なくまさに居心地の良い空間です。そんな中であの『金魚』に出会えることは、なかなか幸運です。テレビの情報番組などで取り上げられた深堀隆介さん(1973-)の『金魚』は、生きているかのように緻密に描かれ話題になり、いちど本物の作品に出会いたいと思っていました。

深堀隆介

いつものように美術情報サイトを眺めていると、国立新美術館にあるSTE GALLRYで、彼の個展があることを見つけました。『色欲の秋』と題して、小さなお椀の中で優雅に泳ぐ金魚は実に魅力的です。STE GALLRYは、話題のアーティストや美術館の企画展に関連する作品で構成して、美術館に来る人たちに気軽に購入してもらうコンセプトのようです。

彼の作品は10数点ありましたが、お椀や升などに『金魚』が1匹描かれた可愛いものがメインでした。残念ながらテレビなどで紹介された大きな桶の作品に出会うことは出来ませんでした。しかし、泳ぐ姿はとても緻密で本物のようです。『金魚』は、アクリル樹脂の上に描かれているのですが、立体に見えるように部分ごとに層(レイヤ)に分けて重ねているようです。

アイデアと技術と表現力の調和が、作品の魅力になっているのだと思います。また日本の伝統美を現代美術として再構成することが、新しい日本の美の発見につながるようにも感じられます。これからの作品への期待がどんどん増していくよう思います。

※SFT GALLERY(2012年9月19日~2012年10月22日)

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