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西新宿と高層ビル群2013年02月03日 22時37分49秒

ヨドバシカメラの歌(原曲はハワイ民謡のおたまじゃくは蛙の子)に出て来る新宿西口(西新宿)には、淀橋浄水場の跡地に建設された高層ビル群が連なります。その中でも、特徴的な形状で注目されているのが、『モード学園コクーンタワー(2008)』です。

西新宿

「創造する若者を包み込み、触発させる」ことから繭(まゆ:コクーン)をイメージしていると言われ、芸術系の専門学校(東京モード学園)が入居しています。設計は、丹下都市建築設計が担当しています。場所的にみて窮屈感がありますが、新宿という街らしい建物なのでしょう。

新宿駅からコクーンタワーに向かう途中には、新宿の待ち合わせスポットのひとつ新宿スバルビルの『新宿の目(1969)』があります。富士重工がオーナーであったビルは、すでに売却されていますが、新宿を見つめ続ける目はいまも健在しています。

西新宿

『新宿の目』は宮下芳子さんの作品です。作品に寄せる想いの中で「時の流れ、思想の動き、現代のあらゆるものを見つめる“目”・・・」と語っています。確かに、この新宿であるならば、それは可能なのかもしれません。

新宿スバルビルから都庁に向かうことにしました。都庁までの道のりは、かつて段ボールハウスが建ち並び、フォークゲリラと呼ばれた若者であふれかえった時代もあったと言われています。それぞれの世代にそれぞれの想いがあるのです。

西新宿

西新宿

西新宿

都庁の建物、すなわち『東京都庁舎(1990)』もまた近代的な高層建築です。いろいろと揶揄されたこともありましたが、すっかり新宿の一部となった感じがします。東京に数多くの作品を残している丹下健三(1913-2005)による設計です。

展望台は無料で公開されていて、東京スカイツリーにおよばないかもしれませんが、かなり遠くまで見通すことが出来ます。警備は厳重になっていますが、手軽に天空から見る世界を手に入れることができます。

西新宿

都庁を離れ新宿中央公園沿いに歩いて行きます。写真には写っていませんが、三角形の新宿住友ビル、新宿三井ビル、ゴッホのひまわりのある損保ジャパンビルなど、初期の高層ビル群がずらりと並ぶ姿はアメリカのダウンタウンの雰囲気をかもし出しています。

歌舞伎町や商業地区の集まる新宿東口とは、ちょっと違った風景があります。離れて見ると狭いようにも感じるのですが、歩くと意外にも建物と建物の間隔が広いことに気づきます。当たり前かもしれませんが、なかなかおもしろい発見だと思っています。

西新宿

最後は新宿アイランドのシンボルでもあるロバート・インディアナ(1928-)の『LOVE(1995)』に会って帰ることにしました。新宿アイランドには、『LOVE』の他にもいくつかのパブリックアートがあって、テレビのロケなどに使用されることも多いようです。「愛のある街、西新宿」と言った感じでしょうか。

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