Asagi's Art News





彼女の事情 ~ 第11回秘蔵の名品アートコレクション展 きらめく女性たち2005年08月08日 23時00分25秒

絵を見るためにホテルに出向くのは、なんとなく変な感じであった。インフォメーションの人にどこが会場かと聞くと、さすが一流ホテルというような雰囲気で親切に教えてもらい、会場に着くと係りの人たちがそろって「いらしゃいませ」と頭を下げてくれたのだが、自分が場違いなところに来ているような感じがして緊張した。

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普段は、パーティーや披露宴を行っていると思われる会場には、ロココからはじまってルノワール、ピカソ、モディリアーニといった海外の画家、藤島武二、岸田劉生といった日本の洋画家、伊藤深水、鏑木清方といった日本画家の3つゾーンから構成されていた。どの作品も女性の肖像画なのであるが、それぞれ個性が異なりなかなか面白いものである。

たまたま会場に入った時がギャラリートークの時間と重なったらしく、学芸員の人がいろいろと絵の解説を行っていた。最初はおとなしく聞いていたのだが、途中で抜けさせてもらった。そもそも、あさぎの絵の見方は、感性にゆだねて全身で感じるようにしているので、その絵がどうしたこうしたという知識には、あまり関心がないのである。

では、気になった作品をあげてみると、やはり、キスリングの「スペインの女」だろうか。エキゾチックな顔立ちの女性が足を組み椅子に腰掛けているのだが、こちらを見つめる瞳とその視線に引き付けられてしまう。黒と赤の衣装が刺激的で誘惑されてるような気になってくる。何故そんな視線を投げかけるのか、彼女にどんな事情があるのか知りたくなってしまう作品である。

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モイーズ・キスリング「スペインの女」

※ホテルオークラ東京