Asagi's Art News





制約の中の芸術 ~ 植物画世界の至宝展2005年06月11日 22時31分47秒

ボタニカルアートは、カルチャースクールなどでも人気のあり、16~17世紀に掛けて欧州で完成された絵画である。今日から英国王立園芸協会(RHS)の所蔵するボタニカルアートの展覧会が藝大美術館ではじまったので、早速出かけてきた。

実はあさぎは、このボタニカルアートのスクールにしばらく通ったことがある。そこでは、モデルになる植物を正確に描くわけだが、とにかくよくモデルを観察することが大事であることを教わった。アートと名前が付いているが、どちらかというと植物学というような気がしてくるぐらい見るのである。

確かに歴史では、植物学としてスタートしているが、18世紀にルドゥテが登場することにより芸術として発展して行く。ルドゥテは、バラ図譜で知られ「花のラファエロ」とも呼ばれるほどの画家である。今回は残念なことにルドゥテの作品は1点のみで、しかも書籍でバラでもない。どうもRHSでは、ルドゥテのオリジナルは持ってないらしいとのことだ。それは、しかたのないことなのだが、フッカーやウィザーズの作品もルドゥテに負けず素晴らしいものだったので良しとする。

ボタニカルアートは、18世紀頃に芸術としてのピークを迎え、写真の普及にともなって元気がなくなってくるようだ。展示の内容も時代ごとに推移するので、そのことがよく判る。この点は、実に興味深いことである。

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そういえば、梅雨入りだそうだが、展覧会の帰りに虹が出ているのを見かけた。なんだか得した気分になった。

※東京藝術大学大学美術館
※岐阜の薔薇

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