Asagi's Art News





梅祭りにて ~ 熱海梅園2007年03月02日 00時30分57秒

熱海の隣に来宮(きのみや)という駅があります。そこから少し坂道を行くと熱海梅園があります。縦長で渓谷のように川が流れ、その周りに700本もの梅があります。1月末から3月はじめまで、ここでは梅祭りが開かれます。

紅梅、白梅のほかにもいろいろな色の梅が咲き、良い香りを漂わせています。あいにく曇りでしたが、尾形光琳の紅白梅図屏風を見たあとでしたから気分は上々で、お気に入りのピンクの梅を撮って見ました。

熱海梅園

いつもの・・ ~ じっと見る 印象派から現代まで2007年03月08日 01時00分55秒

ブリヂストン美術館は、所蔵する作品を趣向を変えて見せてくれることか魅力の美術館です。毎回新しい出会いをすることもワクワクします。でも、そこに行けばまた彼らに会える、これもたいへんすてきなことです。

少しずつですが、展示品を入れ替え、配置換えをする。簡単そうですが、毎回センスが問われます。ほぼ同じ作品を飽きさせず、しかも新鮮に感じさせることは難しいと思います。その点、ここの学芸員さんのレベルは高いと言ってもいいと思います。

あさぎも好きな絵がいくつかあり、毎回違った感覚が持てるのが不思議です。ルノワール、モネ、セザンヌの印象派の作品は、それほど大きな作品でないのですが、見ていると安心できます。もちろん、マチスやピカソも好きです。

そして、いつも美術館の中心にいるエジプトの猫の神様・・・凛々しいその姿に威厳を感じます。美術館のシンボルでもあり守り神です。ミュージアムショップには、ポストカードの他に小さな置物もあります。

聖猫
エジプト「聖猫、紀元前950-660」

なんとなくとか、何か見たいと思ったときとか、そんな気分になったときにここに来る。こんな美術館があることは、とっても幸せなことです。

※ブリヂストン美術館

異空間へ ~ シュルレアリスム展2007年03月13日 00時33分39秒

埼玉にある美術館に行くのはじめてです。かなり遠いところだと思っていたのですが、新宿から30分ちょっとで以外に近いところでした。北浦和の駅前からすぐのところに公園があり、美術館はその中にあります。

公立の美術館らしい感じのする建物で、彫刻などオブジェも何点が配置されています。洗練されているとは、言いがいたところもありますが、教育施設のようなまじめさがあります。

埼玉県立近代美術館

チケットを買い中に入ることにしましたが、このとき特別展と常設展が別料金なのが気になりました。特別展と常設展が別々の方が親切との考えもあると思います。しかし、せっかくのですからどちらも見れるように常設の料金も特別展に含めた方がいいような気もしました。

さて、展覧会のシュルレアリズムなのですが、あまり考えずに見ることにしました。疲れたいたこともありますが、軽く感覚だけで楽しもうと思いました。考え込むとたいへんですから・・。

まずは、マンセル・ジュシャンのおもちゃ箱のような作品が、難解な世界を暗示するかのようで、やはり「これは?」と感じてしまいます。そして、キリコ、マン・レイ、ダリ、デルヴォー、マグリット、ミロと個性的な作品が続きます。

今回、埼玉まで来て見たかった作品のひとつがマグリットの『現実の感覚』でした。前日に新聞の美術批評にあり、ぜひ本物が見たいと思った作品です。

マグリット
ルネ・マグリット「現実の感覚、1963」

月の輝く少し寂しい感じのする風景の中、大地と空の間に巨大な岩が浮いています。それも、ごく自然に風景のひとつとして、あり得ない光景が溶け込んでいます。旅先の夕暮れに出会う場面のような清涼感は、マグリットの描く空にあるのかもしれません。

夕闇が迫り透明感を増した空は寂しいというよりはも、これから夕餉を迎える温かさがあるのかもしれません。しかし、ある瞬間、静寂が支配する異空間への入り口に引き込まれてしまう。それがマグリットの世界であるような気がします。

※埼玉県立近代美術館

無難な・・・ ~ 異邦人たちのパリ2007年03月17日 22時19分52秒

すでに10万人もの来場者を迎えたと新聞に載っていました。シャガールの『エッフェル塔の新郎新婦』のポスターが印象的で、新美術館の期待感をあおるような勢いを感じます。新美術館は、平日にもかかわらずたくさんの人が訪れていたのように思います。

展覧会場は2階だったのですが、エスカレータをあがって「あれ、どこが入口?」と迷ってしまいました。まだまだ、オープンしたばかりの美術館と言うことなのでしょうか・・・案内がいまひとつです。

新美術館

さて、前半は、エコールドパリの個性ある画家たちが中心で、徐々に抽象主義がまざり、絵画以外のアートもアクセントであらわれます。後半は、現代アートに変わりインスタレーションの展示にスペースを使っていました。さずがに、大きな作品も余裕で展示できるスペースは、なかなかのものです。

この展覧会、ひとことで言えば無難な内容で、藤田やモディリアーニ、シャガールといった巨匠の作品でポイントを押さえています。しかし、多くを見せるような感じがしているところは、ある意味、新美術館のこけら落としで、こんなものかといった感じです。

そんな中で、あさぎのお気に入りの作品は、キスリングです。どの展覧会でも、その色のあざやかさは、引き立ちます。大きな瞳とエキゾチックな顔立ちと衣装の赤、背景の緑が補色のバランスが魅力的です。何か言いだげな感じがしてきます。彼の描く女性は、いつも妖艶です。

キスリング
モーリス・キスリング「若いポーランド女性、1928」

※異邦人たちのパリ

透き通る場面 ~ 「春のめざめ」原画展2007年03月21日 22時11分57秒

ロシアのユーリー・ノルシュテイン門下のアレクサンドル・ペトロフのアニメーション『春のめざめ』が、公開されました。その原画が見られることを、テレビ(新日曜美術館)で紹介されていたので、本編を見る前にぜひ見たいと思い三鷹まで出かけました。

ジブリ美術館は、どちらかと言うとアミューズメント施設に近い美術館と思っていました。しかも、チケットが予約制(ローソンでロッピーという機械を使わないとならない・・)で、なんだか面倒でした。ふらっと行って見るあさぎには、ちょっとなぁという感じです。

ジブリは、アニメーション製作会社で多くの人気作品を送り出しているために、俗に言うアニメファンがたくさんいます。そんな人たちと子供たちに囲まれて、三鷹駅からコミュニティーバスで美術館に行きました。なんとなく場違いなところに来たなと思いながら・・。

ジブリ美術館

さて、原画展ですが、とても小さなスペースのギャラリーと呼ばれるところにありました。子供たちに人気の「ねこバス」の展示室とミュージアムショップをつなぐ通路という感じのところです。

原画は、12展ぼどでアニメーションを作るときに使うトレース台(下から蛍光灯をあてる道具)を壁に設置して、原画に下から光をあてる形で展示されていました。解説では、原画をガラス板と言っていましたが、見た感じ透明なアクリル板ようです。思ったより大きい(A2サイズぐらい)感じがしました。

ペトロフは、そのガラスに指を使って絵を描き、アニメーションを作って行きます。画材は、油絵の具です。撮影をする間に絵具が乾かないことが良いと言っていました。薄く絵具を置くと明るく、色を重ねて行くと暗く厚みが出てくるようです。

下からの明かりが白色を表現しています。絵を描くときに塗り残し部分を白色とするのと同じです。しかし、透き通って見える白色だからでしょうか、ともても幻想的に見えます。そして、やはり撮影されたものよりも色あざやかなところは、見に行って良かったと感じました。

原画なので、アニメーションにすると流れてしまう指のあとなども確認できます。この原画から作品が生み出されたかと思うと、作成の現場にいるようで楽しくなります。本編のチケットも買いました。本編がどんな作品になってるか、とても楽しみです。

春のめざめ
アレクサンドル・ペトロフ「春のめざめ、2006」

※ジブリ美術館

やぱっり、これかな? ~ ジブリ美術館2007年03月24日 11時05分06秒

ジブリ美術館が、世界のアート・アニメーションを配給していくことを決めたそうです。『春のめざめ』は、その配給の最初の作品とのことです。アニメ好きのあさぎには嬉しいことです。

宮崎駿監督の次回作品の発表もあり、ますます盛り上るスタジオ・ジブリ。多くのキャラクターが人気を呼んでいます。美術館には、そんなキャラクターたちがいたるところにいて、結構楽しかったりします。

ジブリ美術館

さくら開花 ~ 上野恩賜公園2007年03月25日 22時43分46秒

さくらの開花宣言がされて最初の週末です。午後から天気が崩れるようなことをテレビで言っていました。しかし、ここ上野公園では、そんなこと何吹く風で一足早いさくらの宴が始まっています。

そして、待ちに待ったダ・ヴィンチとの対面がせまってきました。イタリアの至宝が、日本にいながら見ることの出来る幸せを実感するため、嬉しさを隠しきれずやって来ました。ワクワクしながら博物館へと向うことにします。

上野恩賜公園

門外不出 ~ レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像2007年03月28日 23時47分58秒

新聞や雑誌では、33年前に『モナリザ』がやってきた時と同様の盛り上がりを、期待しているようです。受け入れ側の国立博物館も、『受胎告知』をその時と同じ展示室に展示するほどの意気込みです。

公式サイトにある当時の映像を見ると、とても鑑賞のレベルに達していない状況なので、どうなることかと心配して会場に向かいました。とにかく、ダ・ヴィンチの油彩画の本物に会えるという思いが、ワクワク感をあおります。

開催後初の週末でしたから行列覚悟でトイレもすませ、準備万端で国立博物館ゲートに到着しました。しかし、何かが変です。いつもの展覧会と変わらない光景、告知の看板には『ダ・ヴィンチ』の文字が大きくあります。

レオナルド・ダ・ヴィンチ

よくよく周りを見渡すと、待ち時間0分を告げるボートを持つ係員がひとりいます。それで、すんなりゲートを通過、正面の本館に向かいました。お天気は、午後から雨になるかもという予報でしたが、目の前にいる人の姿は、まばらです。

空いているということは、ゆっくり鑑賞できることを意味しますが、門外不出の傑作の展覧会のばず・・・とにかく中に入って見ることにしました。ラッキーなのか、期待が大き過ぎたのか複雑な心境です。

特別展示室の前には、空港などで見かける金属探知機のゲートが設置され、手荷物検査が行われています。この警備のしかたを見てようやく『受胎告知』を見に来たという気分が戻ってきました。鞄の中身を見せるのは嫌なので、ロッカーに荷物を置き探知機をくぐりました。

隣の人が探知機に引っかかっていて、ハンディタイプの探知機でさらに調べられていました。それに、ひと部屋に1枚の絵があるだけなのですが、音声ガイドしっかり用意されています。しっかり商売をしています。

曲がりくねった通路を行くと、次第に『受胎告知』が見えてきました。何処となく大きな教会を思わせるような感じです。3列になって見るように係員が指示しています。空いているとは言え、さすが最前列のかぶりつきの列は行列になっています。しかし、その他は列とはいないくらい人込みです。

近くから見てみたい気持ちもありましたが、今回はダ・ヴィンチの色を見ることにポイント絞っていたので、場所は特に気にしませんでした。係員は、無常に歩いて見るように指示をしています。しかし、その絵の前をただで通り過ぎることはできません。

あたりの様子をうかがうと、そろそろ動く3列とは別にあまり動かない4列目を発見しました。『受胎告知』からは2m近く離れていますが、全体を見渡すにはとても良いところです。少しでも長く見ていたいので・・しっかりと4列目にエントリーしました。

この4列目も残念なことに右斜め方向は、やはり人気があり入り込めません。しかたなく逆の左斜めから鑑賞をすることにしました。たぶん、この4列目は、係員の場内誘導が慣れてきて、もっと人が押し寄せてくればやがてなくなることでしょう。

さて、憧れの『受胎告知』ですが、全体から伝わってくる感じは、シュルレアリズムのような異次元を感じさせるようにも思いました。もちろん、そのオーラは、シュルレアリスムとはまったく違うものです。古い絵の持つ独特の重く吸い込まれような雰囲気が漂っています。

受胎告知
レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知、1472」

細かくは判りませんが、研究者が指摘するほどの不自然さは、感じられません。むしろ遠近法の正確さから人物、背景が、ここに存在しなければならいとうような絶対感を与えます。そして、左側からの鑑賞ですが、やはりマリアの存在感は、圧倒的です。

赤と青の衣装の配置と微妙なコントラストは、とても美しいと思います。明るいマリアに対してやや暗い位置にいるガブリエルの衣装の赤がとても力強く感じます。大地の緑と補色なって浮いて際立つはずですが、重厚感がありマリアに敬意をあらわしています。

背景の山河は、薄い青を帯びてあやしく漂う感じです。ガブリエルの羽は、いままで見てきたものとはだいぶ異なりリアルです。それに比べて木々の姿は独特の形状をしています。500年も前の作品にもかかわらず、保存状態は最高であり発色も美しい。出会えてよかった・・至福のひと時が過ぎて行きます。

※レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像