Asagi's Art News





異空間へ ~ シュルレアリスム展2007年03月13日 00時33分39秒

埼玉にある美術館に行くのはじめてです。かなり遠いところだと思っていたのですが、新宿から30分ちょっとで以外に近いところでした。北浦和の駅前からすぐのところに公園があり、美術館はその中にあります。

公立の美術館らしい感じのする建物で、彫刻などオブジェも何点が配置されています。洗練されているとは、言いがいたところもありますが、教育施設のようなまじめさがあります。

埼玉県立近代美術館

チケットを買い中に入ることにしましたが、このとき特別展と常設展が別料金なのが気になりました。特別展と常設展が別々の方が親切との考えもあると思います。しかし、せっかくのですからどちらも見れるように常設の料金も特別展に含めた方がいいような気もしました。

さて、展覧会のシュルレアリズムなのですが、あまり考えずに見ることにしました。疲れたいたこともありますが、軽く感覚だけで楽しもうと思いました。考え込むとたいへんですから・・。

まずは、マンセル・ジュシャンのおもちゃ箱のような作品が、難解な世界を暗示するかのようで、やはり「これは?」と感じてしまいます。そして、キリコ、マン・レイ、ダリ、デルヴォー、マグリット、ミロと個性的な作品が続きます。

今回、埼玉まで来て見たかった作品のひとつがマグリットの『現実の感覚』でした。前日に新聞の美術批評にあり、ぜひ本物が見たいと思った作品です。

マグリット
ルネ・マグリット「現実の感覚、1963」

月の輝く少し寂しい感じのする風景の中、大地と空の間に巨大な岩が浮いています。それも、ごく自然に風景のひとつとして、あり得ない光景が溶け込んでいます。旅先の夕暮れに出会う場面のような清涼感は、マグリットの描く空にあるのかもしれません。

夕闇が迫り透明感を増した空は寂しいというよりはも、これから夕餉を迎える温かさがあるのかもしれません。しかし、ある瞬間、静寂が支配する異空間への入り口に引き込まれてしまう。それがマグリットの世界であるような気がします。

※埼玉県立近代美術館

コメント

_ 一村雨 ― 2007年03月13日 05時49分38秒

私もマグリットのこの絵と白紙委任状が見たかったのです。
あと、宇都宮美術館にある「大家族」を見たいなぁと思っています。

_ あさぎ ― 2007年03月13日 23時40分24秒

>一村雨さん

こんばんは、思い切って出かけて良かったです。

マグリットの描く世界はあり得ないと判っているのですが、惹かれてしまいます。私も「大家族」は、ぜひ見たいと思っています。

_ はろるど ― 2007年03月23日 01時18分20秒

あさぎさんこんばんは。埼玉県美へ初めて行かれたのですね。
今回の展覧会も良かったと思いますが、ここはあまり目立っていないながらも、
いつもなかなか優れた企画展を開催しています。
そのせいか、最近はよく足を向けるようになりました。
駅からも近いですしそう不便でもありませんよね。

>静寂が支配する異空間への入り口

二つの次元の世界が同じ空間に突然ポッと出現したような、そんな感じも致しました。
マグリットにデルヴォーに大満足です。

_ あさぎ ― 2007年03月24日 10時39分33秒

>はろるどさん

こんにちは、お久しぶりです。

埼玉県美は、なかなかおもしろそうな企画展をしているのですが、東京、横浜とは違って、遠いところにあるイメージがありました。意外に近かったのですが・・・

美術館のある公園もすてきですね。特に噴水がある時間になると音楽に合わせて跳ね回る。市民サービスにお金をかけているように思います。

マグリット、デルヴォー、会えて良かったです。

_ とら ― 2007年03月24日 14時27分54秒

遅ればせながら、行ってきました。
デルヴォーが良かったですね。

_ あさぎ ― 2007年03月25日 13時48分39秒

>とらさん

こんにちは、桜の季節になってきましたね。

日本にもまだまだ良い作品があるという展覧会でしたね。デルヴォーの作品は、大きくて見ごたえたっぷりという感じが良かったです。

トラックバック

_ つまずく石も縁の端くれ - 2007年03月13日 05時44分59秒

マン・レイのメトロノームの映像のコチコチと刻む音が響く中、「シュルレアリスムとは何か」という解説からこの展覧会は、始まる。それはよく言われるように、現実を越えた別世界に行ってしまうものではなく、現実そのものにある「真の現実」に触れようとするものであると...

_ はろるど・わーど - 2007年03月23日 01時11分35秒

埼玉県立近代美術館(さいたま市浦和区常盤9-30-1)
「シュルレアリスム展 - 謎をめぐる不思議な旅 - 」
2/21-3/25



主に以下、巡回先の美術館のコレクション(約110点。)によって構成されています。シュルレアリスムをその前史より辿る展覧会です。特にデルヴォーやマグリットが充実していました。

埼玉県立近代美術館 2/21 - 3/25 
岡崎市美術博物館 4/7 - 5/27 
山梨県立美術館 6/2 - 7/8 
宮崎県立美術館 7/21 - 9/2
姫路市立美術館 9/15 - 10/28 



展示の「導入」部分では、記念碑的なブルトンの「シュルレアリスム宣言」(初版本、1924)や、シュルの「兄」として位置付けられたダダイズム、さらにはキリコの形而上絵画などがいくつか紹介されています。ここではお馴染みの大ガラスのモチーフのとられたデュシャンの「トランクの箱」(1963)や、アルプのやや珍しい木彫「コンフィギュレーション」(1966)などが目立っていました。また同じモチーフによる時間を越えたキリコの二作品も興味深いと思います。「イタリア広場」による二バージョンです。



エルンストもかなり多く展示されています。ブルトンの「自動記述の方法」(内容を考えず、ただ筆の趣くままに次々と文を連ねる。)をそのまま美術に応用し、心に浮かぶ図像をそのまま版画に表した「博物誌」(1926)からしてなかなか魅力的です。また、荒れた心象風景を示した「風景」(1939)は、小品でありながらも非常に迫力のある名品です。赤茶けた大地とその奥に浮かぶ幻影が、同じ地平線上に交錯して描かれていました。その他ではオブジェ、「偉大なる無知の人」(1974)も印象に残ります。エルンストの大きな立体を見たのは今回が初めてかもしれません。

 

この展覧会のハイライトは、さながら「デルヴォー・ルーム」とも化した第2章「心の闇」と、マグリットの揃う第3章「夢の遠近法」のコーナーではないでしょうか。まずデルヴォーでは、埼玉県美御自慢の所蔵品「森」(1948)をはじめとして、姫路市立美術館より出品された6点の大作が見応えがありました。「海は近い」(1965)や水彩の「アレジア」(1966)など、デルヴォー独自の冷め切った美の妖艶な世界を楽しむことが出来ます。またマグリットでは、パンフ

_ Art & Bell by Tora - 2007年03月24日 14時28分24秒

埼玉県立近代美術館、岡崎市美術博物館、山梨県立美術館、宮崎県立美術館、姫路市立美術館などの国内美術館が所蔵しているシュルレリアリズム絵画を集めて展示し、それぞれを巡回しようという企画。 地方にこれだけの作品、があるという事実に驚く。バブルの遺産なのだろうか。

詳細はホームページに書いたが、特にデルヴォー、マグリット、マン・レイの優品が心に残った。

ポストカードを2枚買ってきた。一枚はマン・レイのシルヴァー・プリント《ガラスの涙》。強調された睫毛と涙が印象的。

もう一枚はヴィクトル・ブローネルの《誕生の球体》。これは不思議な幻想作品である。片目の視力を失った画家の眼球再生...