Asagi's Art News





夏休み ~ トリック・アートの世界展2010年08月28日 00時11分52秒

夏休みもあと数えるほど、子どもたちも自由研究の追い込みなのでしょうか? いつもに増して子どもたちの数が多い展覧会でした。トリックアートという楽しげなテーマも、美術館へのハードルを少し低くしている要因のひとつだと思います。

ック・アート

トリックアートは、だまし絵です。手法もさまざまですが、目の錯覚を利用した楽しい作品があるが魅力といえます。今回は、1960年代以降の新しい作品をいろいろと集めています。目の錯視の他に光を用いたもの、写真のようなスーパー・リアリズム、森村泰昌(1951-)のなりきり作品もあります。

どのような視点で見るかのガイドも充実していました。ワークショップなども開催していたようで夏休みの企画としては、成功していると思います。ただ、展示位置が通常の展覧会と同じなので、子どもたちには少し高い位置になり、少し気の毒であるように感じました。子どもたちを誘っているのですから、あと少しの配慮があると良いと思います。

今回は作品がどうであるよりも、その子どもたちがどう見ているかが気になり、やや離れたところから様子を観察をしていました。メモ帳と鉛筆を持って解説や見え方をしきりに記録したり、夢中になって手放しで楽しんでいたり、友達同士で感想を言い合ったりと、とてもおもしろかったです。

なかなか美術館に足を運ぶことはないのかもしれませんが、このような企画がきっかけとなって美術館を好きになってくれると良いと思います。美術の世界は奥が広く何十年見てきても、けして飽きることはありません。いずれまた美術館に戻って来てくれることを期待して見守っていきたいと思います。

※損保ジャパン東郷青児美術館(2010年7月10日~2010年8月29日)