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コラボレーション ~ 手塚治虫のブッダ展2011年05月14日 23時57分13秒

手塚治虫(1928-1989)は、歴史上の偉人をテーマに作品をいくつか手がけています。「ブッダ」という作品も仏教の開祖である釈迦(紀元前463年- 紀元前383年)の生涯を描いた大作です。残念ながら全巻読破はできていませんが、手塚らしい人間としての理想や苦悩を描いているようです。

ブッダ展

展覧会は、東博の本館特別5号室というところを使用しています。この会場は、最近ではダ・ヴィンチの「受胎告知」、古くはルーブルの至宝で門外不出の「モナリザ」など、厳選された作品の展示に使用する特別な会場です。

今回、手塚が描いた「ブッダ」の原画にあわせて、各時代の仏像の名品を対比させています。それは、釈迦の誕生から出家をして、悟りを開き涅槃に到るまでの人生を、短い時間で見せるという試みなのかもしれません。

ところで、作品である仏像も漫画の原画もとても良いものであるのですが、コラボレーションとしての効果は少し弱いような感じがしました。また、会場のいっかくにアニメーション映画の「ブッダ」のコマーシャルもあったことからも、いろいろな事情があり積み上げすぎてしまったように思いました。

さて、特に気に入った良い顔の仏様なのですが、飛鳥時代の仏坐像(如来坐像)です。ブロンズの小さな仏様なのですが、長い年月で良い艶が出ていて、とっても優しい表情に魅力を感じます。法隆寺金堂釈迦三尊像の中尊と似ているそうですが、やはり表情はこちらの方が柔らかであるそうです。

ブッダ展
「重要文化財 仏坐像(法隆寺献納宝物)、7世紀」

※東京国立博物館(2011年4月26日~2011年6月26日)

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