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ルイ・ヴィトンの本気 ~ GEOMETRY OF LIGHT by Alyson Shotz2011年11月01日 20時02分20秒

高級ブランドとして有名なルイ・ヴィトンが、今年、表参道のビルにオープンさせたのが「エスパス ルイ・ヴィトン東京」というアートスペースです。自社ビルの7Fにある空間は、ガラス張りで自然光が差し込みペントハウスのような感じさえしてきます。

エスパス ルイ・ヴィトン

そもそも、ルイ・ヴィトンが現代アートに対して、発表の場を提供しはじめたのが、2006年にパリでオープンした「Espace Culturel Louis Vuitton」です。やはり展示スペースはビルの7Fにあり、フランスのみならず世界のアートシーンをリードすることが、活動の目的であるようです。

コンセプトのひとつとして、もっとも美しく、多くのトレンドやカルチャーを生み出してきた場所で、作品を創作するアーティストにもより刺激的なインスピレーションを持ってもらうとのことで、アーティスト側にとっても実験的なチャレンジがしやすい環境があるのかもしれません。

今回の展覧会は、オープン記念の第2段として、アメリカ・ニューヨークで活躍してる女性アーティストのアリソン・ショッツ(1964-)のインスタレーションとなります。彼女は、アクリルやアルミのような光を当てることで変化する素材を使う作品を得意とするアーティストです。

エスパス ルイ・ヴィトン

エスパス ルイ・ヴィトン

何と言っても最初に目に飛び込んでくるのは、スペースの大半を使い、円形のレンズのようなパーツをいくつも紐に通して浮遊させている「Geometry of Light」と作品です。この作品は、自然光を受けるとキラキラ輝き風を感じるような感覚得ることができます。

たまたま訪れた日は、空には雲があってときどき強い日差しと弱い日差しが繰り返し作品にあたります。強い光のときには、部屋全体が輝いて、ちょうど海の上を飛ぶ鳥になったような爽快な気分なります。

雲がかかり光が弱くなると周りのビルが視界に入ってきて、森の中にいるような感じがしてくるスケールの大きい作品だと思います。また、他の作品もなかなか個性的で人の形を想像させるような曲線もつ作品や大きなCGの作品など、展示数は少ないですがアーティストの意図が伝わってきます。

エスパス ルイ・ヴィトン

エスパス ルイ・ヴィトン

エスパス ルイ・ヴィトン

作品の見せ方にも出ているのですが、ルイ・ヴィトンの本気を感じることが出来ます。例えば、アーティストを紹介する冊子の豪華さは、フリーであるにもかかわらず、図録のような製本で提供しています。また、黒服がすてきなセキュリティの教育は、さりげない監視の中にも品の良さがあり、彼らを含めてアートになっているようです。

エスパス ルイ・ヴィトン

高級ブランドショップの中にあることから、会場への出入りには多少緊張をともないますが、店員さんもそのことは心得ているようで親切に対応してくれます。ブランドに興味があるないに関係なく、ルイ・ヴィトンのアートへの本気を感じることが出来る、訪れてほしい場所のひとつだと思います。

※エスパス ルイ・ヴィトン東京(2011年9月10日~2011年12月25日)

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