Asagi's Art News





人を知ること ~ 岩合光昭 写真展2010年03月23日 23時55分11秒

しばらく訪れていなかった渋谷のたばこと塩の博物館は、建物の外観こそきれいですが、さすがに内部は昔のままでだいぶお疲れぎみでした。小さな博物館なので、たばこと塩に関連する企画展以外は、なかなかなかったように思っています。

それが、何故、いま大人気の岩合光昭の展覧会を企画するようになったかは判りませんが、彼の三越新館での展覧会を見逃していることもあって興味津々で出かけていきました。駅から遠いにもかかわらず、多くの人がいて大盛況です。

岩合光昭展

街の書店の写真コーナーには、必ず彼の写真集が平積みになっています。動物を被写体とすることから、幅広い年齢層の人に愛されいます。特に猫を扱った写真集は、その愛らしさから目を引き、誰もが頁を開かずにはいられない写真集です。

さて、展示されていた写真は、流行の大伸ばしをしたものではなく、どこの家にも飾れるぐらいのちょうど良い大きさの作品でした。しかし、各テーマごと数点ずつ約120点もの作品があったのには驚きました。4階と1階の展示室を使っての展示ですが、所狭しという感じです。

4階には、シロクマ、ペンギン、グジラといった南極・北極の動物、コアラ、カンガルーといったオーストラリアの動物、その他にライオン、サイなども展示され、中にはパンダの姿を見ることができました。また、1階は、日本の猫、犬、そして猿の展示さています。

動物を通して彼が言いたことは何なのか? 考える必要があるように思います。ただ、可愛いと言うだけでは、これ程多くの人を引きつけることはできないでしょう。厳しい自然環境の中に身を置き、注意深く観察を続け一瞬を切り取る・・・実はこのことが人を知ることのきっかけであると彼は言っています。

自然を守ることは大切なことです。しかし、自分たちのことを知らなければ、本当に守るべきものが見えてこない。だから、彼は、多くの動物を通して人とは何かを知ってほしいと考えてるように思います。

※たばこと塩の博物館(2010年3月13日~2010年4月11日)

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