Asagi's Art News





絵画が築かれた光景 ~ 野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿2012年02月04日 00時12分32秒

今年、国立新美術館は、開館5周年を迎えました。5周年の企画もいろいろとあったようですが、当日は静かに特別の無料開放と特設会場(1階フロアの入口に近いところ)の講演など行ったようです。

野田裕示

野田裕示展も無料開放の企画展で、せっかくなので鑑賞をさせてもらってきました。実はこの企画展も3.11の地震の影響で、開催が延期になった展覧会です。遅くなったとは言えど、ちゃんと展覧会が開催されることは単に嬉しいことだと思います。

さて、主役の野田裕示(1952-)という画家についてですが、実は良く知りませんでした。しかし、多摩美術大学の油絵科を卒業後、実験的でダイナミックな作品に注目が集め、日本における現代美術の先駆的な存在であるとプロフィールにありました。

一貫して支持体(絵画の塗膜を支える面を構成する物質)と絵画との関係を追求してると言っています。なかなか理解しづらいことですが、例えば、キャンバスの変わりに石を用いて、アクリル絵の具でペイントをしたり、立体と平面を組み合わせた試みなどの作品があります。

抽象という概念とも少し違う…支持体と絵画の組み合わせから展開して、描くというよりは建築のように築きあげるような感覚なのかもしれません。そして、絵画が築かれた光景は、単純な色と形から構成されることで強烈な印象をあたえてくれるのです。

※国立新美術館(2012年1月18日~2012年4月2日)