Asagi's Art News





シスレーの光 ~ ザ・コレクション・ヴィンタートゥール2010年08月11日 23時41分21秒

ヴィンタートゥールは、スイス・チューリッヒの北東にある人口10万程度の都市であり、古くから経済的にも豊かだったようです。このため、資産家たちの多くは優れた美術品を収集しているそうです。それで、今回の展覧会では、まだ紹介されたことのない90点の作品が見られるとのことでした。

ヴィンタートゥール

展示内容は、19世紀から20世紀にかけての作品を網羅する形になります。ドラクロワからはじまり印象派、ポスト印象派に展開して、中盤からはスイス、ドイツ出身の作家に焦点をあて、ナビ派、フォーヴィスム、キュビスム、表現主義、シュルレアリスム至るまでの変化を楽しむことができるようになっています。

無難なところを選んでいるため、展示の感想はややコンパクトであると思いました。ただ、前半に印象派とポスト印象派を持ってきているためか、はじめにインパクトを感じてしまうようにも思います。後半にはルソーやピカソもあるので、けして印象が薄くなることはないのですが…

ところで、このところ印象派の作品を多く見かけていますが、今回のシスレー(1839-1899)の作品はいままでになくさわやかさを感じる一枚だったと思います。『朝日を浴びるモレ教会』と言って、シスレーにしては珍しく水を描いていない作品です。

ヴィンタートゥール
アルフレッド・シスレー「朝日を浴びるモレ教会、1893」

大きな画面には、モレ教会が堂々とそびえ立っています。その周りにわずかな空と通り道が描かれています。しかし、わずかにみえる青空がシスレーの光を主張して、画面全体を引き締めています。例え、水を描かなくてもみずみずしい、まさに印象派らしい作品だと思います。

※世田谷美術館(2010年8月7日~2010年10月11日)

コメント

_ 長右衛門 ― 2010年12月02日 22時27分36秒

あちこちで見かける展覧会ポスターの中では、一番目立ちますね。現在、このゴッホは兵庫に来ています。意外に小さい作品にびっくりでしたが、ゴッホはゴッホです。ボナールも小作品ながら、《この味好きだなぁ》と思いました。ちょっぴり幸せ気分でした。

トラックバック

_ Art-Millー2 - 2010年11月28日 23時33分38秒

ザ・コレクション・ヴィンタートゥール
兵庫県立美術館
展覧会オフシャルサイト

うたい文句が《ゴッホもルノワールも、すべてが日本初公開!》
これはなかなかインパクトがある。ポスターはゴッホに赤。これは目立ついや目立ち過ぎる。しかも、ヴィンタートゥール美術館なんて聞いたことがない。これは是非ということで、土曜日の夕方七時ごろを狙う。さすが若い人たちがちらほら来ていたが、ゆっくり絵と対話ができた。
まず、その目立つポスターについて。とにかく赤と白の十字架が目立つ。そしてゴッホの黄色が強烈である。そのインパクトあるデザインに心が踊る。国旗を展覧会のポスターに使うとは、、、、このアイ...