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ベルト・モリゾ ~ マネとモダン・パリ展2010年05月03日 23時18分19秒

大きな企業の新しい美術館の登場には期待が持てます。建物も文化財でありこれからの企画が楽しみです。そして、オープニングになる企画展がマネですから、その力の入れようが伝わってきます。そして、クラッシックな外見の建物も展覧会の一部のように洗練されています。

マネとモダン・パリ

マネは印象派に大きな影響を与えた人物であり、かなりの変わり者だったことが伝えられています。良く言えば時代の反逆児とか、近代絵画の父などと賞賛もたくさんあります。それだけ影響力のある人物であったということでしょう。

展覧会は、マネの人生と変貌をしていくパリを重ね合わせて展開させています。マネの作品以外には、同時代の作家の作品に加え巨大建築の設計図など時代背景が判る配慮がされているところがあり、なかなか好感を持てました。

マネについては、初期のものから晩年に渡る作品を網羅していますが、特にベルト・モリゾに注目した展示が良かったと思います。展示数は多くはありませんが、代表作である『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』など、彼の想い入れが伺える作品に出会えて良かったです。彼が好む黒のドレスが美しいです。

マネとモダン・パリ
エドゥアール・マネ 「横たわるベルト・モリゾの肖像、1873」

マネにはもちろん妻がいましたが、ベルト・モリゾに対する愛情が作品から伝わって来るように思います。『横たわるベルト・モリゾの肖像』は、何気なくポーズをとる構成ですが、『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』よりもはっきりと、見つめられている画家の意識として彼女の表情や瞳に表されるいると思います。

二人が実際にはどのような関係であったかは判りませんが、モリゾは絵の弟子でもあり、マネの弟の妻になり家族として迎え入れていることから、まずまずの良い関係だったのかもしれません。いずれ調べてみたいものです。意外な発見やドラマがあるように思います。

※三菱一号美術館(2010年4月6日~2010年7月25日)

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